町田・黒田監督 シーズン中に異例開催 地域の指導者約80人と懇親会「この街で育つ子どもたちの力になりたい思いが根底にある」
J1町田の黒田剛監督(54)が17日、町田市内で、町田サッカー協会(MFA)所属チームの指導者らと、地域のジュニア育成における課題の共有などを目的とした懇親会を開いた。会の前にはMFAの指導者、理事らに向けて講演を行い、参加者約80人が真剣に耳を傾けていた。
青森山田高を率いて日本一に7回導いた“名将”の教えを請おうと、約80人の指導者が集まった。講演では事前に募集していた質問に黒田監督が回答。「小学生年代のうちにこれだけは身につけてほしいこと」「親御さんとのトラブルに関する対処法」など、指導者の切実な悩みに対し、30年以上にわたる自らの指導経験や、元日本代表の柴崎岳(鹿島)らかつての教え子のエピソードを交えながら丁寧に答えていた。
優勝の可能性を残してリーグ戦2試合を控える中、シーズン中にこのような会を開くのは異例といえる。それでも黒田監督は、「やっぱりこの町田という街で何か貢献したい、この街で育つ子どもたちのために何か力になりたいっていうのが根底にあるので」と信念を明かし、「幸いにもリーグ戦が3週間空いているので、ここのタイミングを使ってしっかりと街の指導者と近い距離で交流して、またわれわれも応援してもらいたい思いがあった」と参加に至った理由を明かした。
講演会終盤には挙手で質問を受けつけ、地域の指導者と直接やりとりをした。一つの質問に対し、9分間にわたって答える場面もあり、「貴重なコメントありがとうございます」と感謝の声も上がっていた。「ずっとリーグ戦のことばかりを考えても疲弊するし、いっぱいいっぱいになる。こういう地元の人たちと交流することによってちょっと自分自身のリフレッシュにもなりますし、悩みや相談事に乗ってあげることが、自分にとっていろんなものを引き出してもらえることもあるし、学べる。そういう意味では良い機会を設けてもらった」と感想を語った。