1年を通して幅が広がった日本代表 選手層の厚さ、強さを見せた2024年 福西崇史氏の視点

 後半、小川(19)がチーム3点目のゴールを決め、ガッツポーズの遠藤=19日
 前半、ピッチを走る乱入者(左)。右は伊東=19日
 前半、ピッチを走る乱入者(手前)=19日
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 「W杯アジア最終予選、中国代表1-3日本代表」(19日、アモイ)

 C組第6戦で、首位の日本は中国に3-1で勝ち、5勝1分けの勝ち点16とした。FW小川航基(NECナイメヘン)が2得点、DF板倉滉(ボルシアMG)が1得点した。日本は2024年の全試合を終了。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

 ◇   ◇   ◇

 うまく流れをものにして、点も決めて、勝負強くなった。相手に研究されている中、途中まではやりたいようにできなかった。どうやって崩すかを探っていた。

 そういう中で生まれた小川の得点は、ヘディングのうまさという持ち味が出ていた。彼はヘディングするポイントに対しての間の作り方、ボールへの合わせ方がうまい。ボールの軌道にうまく合わせたゴールで、1点目は前に走りながらだったし、2点目は後ろに下がっておいて、ボールをしっかりとらえた。

 少しずつ自信を得て、ゴール前では自分がシュートを打つという意欲もある。待ち構える余裕も出てきた。上田が離脱していた中、得た機会をものにしようとしている。

 ただ、ゲームの中でどれだけ自分も貢献できるかというプレーを増やしていかなくてはならない。シュートにいけないとき、例えば相手の2バックにおけるくさびの場面では、なかなかいいタイミングでボールをもらえていない。ほかの選手との連係面は、まだまだ不足している。安心感が出てきたら、もっとボールを触れるはずだ。

 試合を通して目立っていた選手を挙げるなら、久保だろう。キレがあり、パスかドリブルか分からないタイミングで出すパスに対して、相手はタイミングがずれていた。そして前半、ミドルシュートを打ってコーナーキックになり、小川の先制点につながったような、存在感を見せつけたプレーも目を引いた。

 アウェーでの2連戦を勝ちきったことで、チームは強さを見せた。相手のペースになったり、やりづらさもあった。インドネシア戦における雨もそうだった。苦労しながら試合をものにしていく勝負強さが出てきた。

 2024年の戦いを終えたが、1年を通して幅が広がった印象だ。守備については3バックで安定させた。攻撃においてはシャドーとワイドの選手を代え、組み合わせを代えることもあった。若い選手を育て、経験をさせながら幅が広がった。選手層の厚さも目立ち、強さを見せた1年だった。

 振り返れば、アジア杯の負けで成長したところは、かなりある。ロングボール対策や、3バックの安定など、課題にしっかりと向き合って、安定感を作ってきた。反省を生かせている。

 次に向けた課題を挙げるなら、人が変わったときに、もう少し早くコンビネーションを合わせられるようにならないといけない。あとはどれだけ成長するかで、選手の組み合わせも変わるだろう。それが選手層の厚さにもつながっていく。

 森保監督は、GKも含めてだが、町田にしても遠藤にしても、ある程度、軸は代えないでやっている部分がある。結果を出しつつ、大きな変化ではなく、少しずつの変化で成長をうながしているところもあると感じている。

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