「明治安田Ｊ１、町田１－０京都」（３０日、町田ＧＩＯＮスタジアム）

　首位神戸は後半追加タイムにＦＷ武藤嘉紀（３２）がゴールを挙げて柏と１－１で引き分け、勝ち点６９とした。町田は京都を１－０で下して同６６。同６５の広島は１２月１日に札幌と対戦。優勝決定は１２月８日の最終節に持ち越した。柏が新潟に並ぶ勝ち点４１となり、柏が１６位、新潟が１７位に。残り２試合で同３４の札幌は１８位以下が確定し、来季Ｊ２降格が決まった。Ｇ大阪は新潟を１－０で退けた。磐田は２－１でＦＣ東京に逆転勝ちして勝ち点３８とし、残留に望みをつないだ。

　青色のユニホームが埋め尽くしたホーム最終戦で、サポーターへ逆転優勝に望みをつなげる勝利を届けた。リーグ最少失点の堅守が光り、後半の１点を守り切った展開に、黒田監督は「町田のサッカーを志向してくれた」と納得の表情だった。

　勝利の立役者は今夏に加入した男だ。後半２２分、左サイドでボールを受けたＭＦ相馬が得意のドリブルで前進。中央へ折り返したボールが相手ＧＫの手に当たってコースが変わり、ネットに吸い込まれた。「虎視眈々（たんたん）と仕留めようと、内に秘めていた」。加入後、ケガもあり本来の力を発揮できない時期が続いていたものの、終盤戦で調子を上げてきた。

　負傷離脱していた日本代表ＤＦ中山、ＭＦ荒木も復帰出場を果たし、最終盤で役者がそろってきた。一時は首位と勝ち点差７に広がり、Ｊ１初昇格優勝への道が消えかけていたが、前節から４→３バックへのシステム変更で立て直し、２連勝で首位と３差に肉薄。黒田監督は「最後まで希望が残されている」と奇跡を信じ、最終節のアウェー鹿島戦へ臨む。