大逆転Vへ町田・黒田監督、鹿島戦へ「死闘になる」教え子の柴崎岳が“ラスボス”に「いろんな意味で感慨深い」

 J1町田の黒田剛監督(54)が6日、町田市内で非公開練習後に取材に応じ、逆転優勝の可能性が残った中で迎える最終第38節の鹿島戦(8日、カシマスタジアム)に向けて「死闘になることも覚悟の上」と意気込みを示した。

 現在首位・神戸と勝ち点差3で3位につける町田。一時は残り3試合で7差と優勝が絶望的な状況に追い込まれたが、システム変更を含めて建て直し、2連勝で大逆転Vに望みをつないだ。ただ、優勝には勝利が絶対条件で、得失点差を考慮すると首位神戸、2位広島ともに敗れなくてはいけない厳しい状況には変わらない。

 それでも黒田監督は「十分起こりうるシチュエーションでもあると思う。だからこそ、道が開けると信じて選手にはやってほしい」と可能性がある限り最後まで諦めない。選手には特別プレッシャーや発破をかけることはせず、いつもと変わらない態度で接したという。「自分の私利私欲ではなく、1年間一緒にやってきたこと、仲間に認めてもらえるプレーを自ら進んでやること、それがやっぱり1番考え方としてはいいんじゃないかと。日ごろ支えてくれた人も含めて、感謝の気持ちを持ってやることがすごく重要だと伝えた」と明かした。

 鹿島と3月のリーグ戦(1-0)、5月のルヴァン杯3回戦(2-0)それぞれホームで勝利を収めた。だが、次は相手が今季無敗のアウェー・カシマスタジアムが舞台となる。難敵を前に、黒田監督は「すごくみんなが震え上がるような、それぐらいの面白みのある組み合わせだということは間違いない。彼らもACL2の可能性を残し、勝利しに来る。われわれもACLEの方に行けること、まだ優勝を狙えるっていう、勝てばいろんなふうに自分たちの風向きが変わったりするような状況にもなるので、そういう意味では死闘になることも覚悟の上」と闘志を燃やした。

 また、青森山田高時代に指導した元日本代表MF柴崎岳との再戦に「いろんな意味で感慨深いものもある。中学校1年生から見てる選手の1人なので」と思いを吐露。かつての教え子が優勝を前に“ラスボス”として立ちはだかることになった。「まさかこういう状況でJ1最高峰のリーグ最終戦で当たるなんていうことは、多分自分自身も岳も、誰もが予想できなかったことだと思う。彼は青森出身で、青森のファン、サポーターも含めて、いろんな角度からいろんな人たちが注目してくれる。そういう意味では大いに、それに恥じないだけの試合をしっかりしたい」と話した。

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