岡山 初J1!J2で16年目の悲願成就 1万4673人満員のホームで「三度目の正直」

 J1昇格を決め喜ぶ岡山イレブン
 仙台に勝利し、GKブローダーセンと抱き合い喜ぶ竹内(中央)ら岡山イレブン。初のJ1昇格を決めた=Cスタ
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 「J1昇格プレーオフ・決勝、岡山2-0仙台」(7日、シティライトスタジアム)

 決勝が行われ、今季J2で5位の岡山が同6位の仙台を2-0で下し、2009年のJ2参戦から、初めてのJ1昇格を決めた。岡山は前半にMF末吉塁がループシュートで先制点を挙げ、後半にもMF本山遥が加点した。仙台は21年以来4季ぶりのJ1復帰を逃した。J2ではほかに、優勝した清水、2位の横浜FCのJ1昇格が決まっている。

 寒空に響き渡ったJ1昇格を告げるホイッスル。イレブンは次々にピッチに突っ伏し、肩を奮わせ、泣いた。満員の1万4673人が詰めかけたシティライトスタジアムが揺れた。ついにJ1の扉を開けた。

 天高く、何度もガッツポーズした木山監督は「今できる最善のサッカーができた」と言葉に熱を込めた。就任3季目の指揮官の下で磨いてきた、攻守で積極的に前へ出るサッカーが、ここ一番で仙台をのみ込んだ。クラブにとって3度目の昇格プレーオフ出場で、ついに悲願が成就した。

 前線からプレスをかけ、5バックの守備ラインは高い位置を保つ。ボールを奪えば、一気に選手が飛び出した。前半20分には、ロングボールのこぼれ球を拾った相手に、FW木村がプレスして奪取。ここから攻め込み、左ウイングバックの末吉が芸術的なループシュートを決めた。末吉は「チームとして攻撃的な守備を出せた」と、積み上げてきたものに胸を張った。

 運営組織が株式会社化した2006年に現オーナーの木村正明氏が、役員を務めていた大手金融会社を退職して代表に就任。時には私財も投じて強化してきた。J2参入初年度の09年は18チームの最下位。それでも、温かく見守るサポーターと共に着実に歩んだ日々の積み重ねがJ1昇格に結実した。

 木村氏は「夢には続きがある。今度はJ1のタイトルを取る」と思い描いた。2025年、岡山からJ1へさわやかな風を送り込む。

 ◆ファジアーノ岡山 川崎製鉄水島サッカー部OBが結成したリバーフリーキッカーズ(RFK)を母体に2003年に誕生。08年に日本フットボールリーグ(JFL)で4位となり、J2加盟を決めた。09年の初参戦から今季が16シーズン目。ホームタウンは岡山市、倉敷市、津山市を中心とした岡山県全域で本拠地はシティライトスタジアム(岡山市)。ファジアーノはイタリア語で、岡山県の県鳥「キジ」を意味し、有名な桃太郎伝説で鬼退治に活躍したことにちなむ。

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