「明治安田Ｊ１、Ｇ大阪３－１広島」（８日、パナソニックスタジアム吹田）

　今季限りで現役を引退する広島一筋２１年のＭＦ・青山敏弘がラストマッチとなった。最終戦ではベンチ入りするも出場機会はなく、チームも敗戦。９年ぶりのリーグ制覇を逃した。試合後には後輩への思いとサポーターへの感謝を口にした。

　敗戦の瞬間はベンチで見届けた。主将の佐々木が号泣する姿を見つけると、歩み寄って肩を抱いた。その青山の目にも光るものがあった。試合後のミックスゾーンでは「あんなところで泣くようではダメですね。勝ってうれし涙にして成長しないといけないし、これを忘れない。選手も、クラブも、僕自身も。来年以降につなげられるように。絶対につなげたいと思います」と力を込めた。

　首位・神戸に勝ち点１差で迎えた一戦で敗北。それでもピッチの選手たちは偉大な先輩に有終の美を飾ってもらうべく懸命に走り続けた。そんな後輩たちの姿に「もう十分伝わりました」とすがすがしい表情。来季からコーチとして広島を支えていくことも決まっている中、「今日の吹田での試合っていうのは僕たちを強くすると思います」と前を向いた。

　アウェー席を満員に埋めて声援を送ってくれたサポーターにも感謝。試合後のあいさつでも青山のチャントが流れ続け、「迫力があったし、自分の最後を見届けてくれる、すごく力強いサポーターだった。最後になりましたけど、皆さんからの愛を感じさせてもらって、最後の拍手は僕にとっては幸せな拍手だった。こんなに選手として幸せなことはないので、感謝したいです」と語り、スタジアムを後にした。