現役ラストマッチの広島MF・青山 悔し涙 ベンチで敗戦見届け「この涙が来年につながってくる」 来季からコーチ
「明治安田J1、G大阪3-1広島」(8日、パナソニックスタジアム吹田)
広島が今季最終戦で敗れた。首位・神戸と勝ち点1差で逆転優勝の可能性を残した大一番を落とし、9年ぶりのリーグ制覇は霧散した。神戸の2連覇を許し、DF佐々木翔主将(35)らサンフレイレブンは悔し涙に暮れた。
MF青山敏弘は現役最後の試合で勝負師としての涙を流した。「悔しいですね」。チームは優勝を逃し、自身も出場機会はなかった。「もちろん勝ちたかったし、試合にも出たかった」。最後まで後輩たちに背中で示し、広島一筋21年の現役生活を終えた。
「アオさんにシャーレを」。バンディエラに有終の美を飾ってもらうべく、後輩たちは一致団結して走った。ベンチからその姿を見届けた青山は「もう十分伝わりました」とすがすがしい表情を見せた。
来季からは広島でコーチとして新たなスタートを切る中、「この涙が来年につながってくる。今日の吹田での試合は僕たちを強くする」と真っすぐなまなざし。V逸直後には泣き崩れていた佐々木の肩を抱き、「顔を上げて、最後まで胸張って」と自らも涙ぐみながら背中を押した。
試合終了後、満員のアウェースタンドからは自身のチャントが鳴り響いた。「こんなに選手として幸せなことはない」。感謝の思いを胸にスパイクを脱いだ。