神戸・酒井高徳は「優しいし、しっかり」家族から見てもリーダータイプ 弟・高聖さんが語る5歳上の兄

 コーヒーをいれる酒井高聖さん
 シャーレを掲げ歓喜する神戸イレブン(撮影・北村雅宏)
 ビールかけを楽しむ神戸・酒井高徳(左)
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 「明治安田J1、神戸3-0湘南」(8日、ノエビアスタジアム神戸)

 神戸のDFとして2019年度と今年の天皇杯、昨季と今季のJ1連覇のタイトルすべてに関わってきた酒井高徳(33)は、精神的にもチームの支柱として存在感を際立たせる。プライベートでは4人兄弟の次男。末弟で元Jリーガーの高聖(ごうそん)さんは、神戸市東灘区で高徳とともにカフェを営む。普段も「友達のよう」と表現する5歳違いの兄について語った。

 スポーツの才能にたけた酒井兄弟。長男は日本製鉄に在籍した柔道家の高喜(ごうひ)さん、次男が高徳、三男の宣福(のりよし)はJ2山口に在籍している。高聖さんも新潟やドイツリーグでプレーした。

 弟から見た高徳も、しっかり者のリーダータイプという人物像にブレがない。「自分が正しいと思ったことをちゃんと人に伝える。すごく優しいし、しっかりしている」という兄。5歳違いということもあり、幼いころにケンカをした記憶はないという。「僕が小学生くらいの時、高徳はサッカーのためほとんど家におらず、僕が成長した頃にはドイツにいた。2人の会話をしっかり持ち始めたのは、僕がドイツリーグに移籍してから。ただ、僕が赤ちゃんのころは高徳が一番面倒をみてくれていたと聞きます」

 高聖さんも22歳からドイツでプレーした。背中を押したのは高徳で「彼が『海外に来い』と言ったので。それがなければ行かなかったと思う」。勧めた理由は高徳自身の経験があったようで「海外に行ってよかったのと同時に、早い時期に行かなかったことを後悔したみたい。『20歳なんて遅いから早く来いよ』という感じでした」と、若いうちに海外経験を積む必要性を説かれたという。

 ドイツでは近い土地に住み、助けてもらったという。「言葉やサッカーも含めていろんな話をした。互いの試合があった後は反省会をして、今日の試合のここは良かった、あそこは悪かったとか」と話は尽きなかった。現在も近くで支え合う2人。一緒に旅行や釣り、カフェ巡りをする。店を始めたのも、高徳がコーヒーに興味を持ち、高聖さんが賛同したことが始まりだった。

 連覇を達成した神戸と兄について、高聖さんは「ヴィッセルも高徳も、大変な1年を乗り切ったと思います」と話す。「高徳はケガが少ない選手だが、今年はケガで欠場が続いた。チーム内では(山口)蛍さんや大迫さんも出られない時期があった。シーズン初めはチームとしてしんどかったと思う。そういうものをはね返して今があるのはすごい」。元サッカー選手として、近くでチームを見てきた立場からねぎらい、祝福した。

 ◆酒井高聖(さかい・ごうそん)1996年3月20日、新潟県三条市出身。小5からサッカーを始めた。高校から新潟のユースでプレー。DF。14年に新潟トップチーム昇格。16年に福島へ1年間期限付き移籍後、18年にドイツ・リューネブルクSKハンザ、19年にVfRアーレン、21年FVイラーティッセンに所属した。22年6月に引退し、神戸市東灘区でカフェ「Alster&Garten」をオープン。

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