なでしこ新監督にニルス・ニールセン氏 史上初の外国人指揮官「タイトル獲得したい」
日本サッカー協会は12日、都内で理事会を開き、女子日本代表「なでしこジャパン」の新監督にデンマーク出身のニルス・ニールセン氏(53)の就任を承認した。「なでしこジャパン」で外国人監督は初となる。また、2028年ロサンゼルス五輪を目指す男子日本代表監督には、今夏のパリ五輪を指揮した大岩剛氏(52)の再任を決定した。
2011年W杯以来の世界一奪還へ、なでしこジャパンの悲願は史上初の外国人指揮官に託された。就任が決定したニールセン氏は「新たな刺激とアイデアを新しい目線をもってチームに注入し、選手やスタッフと協力して成功に導き、タイトルを獲得したい」とコメントを発表した。
8月末に池田太監督が契約満了で退任して以降、難航していた選考がようやく決着した。有力候補は10人以上を数えた中、最後は佐々木則夫女子委員長が欧州に赴き、約3時間同氏と直接対話して決断。パリ五輪8強に終わった前体制の課題も共有し「非常に的確な改善点を挙げてくれた」と目を細めた。
これまでデンマーク、スイスといった欧州国を率いてきた同氏。日本との体格の違いから戦術のギャップに懸念も浮かぶが、監督時代に対戦経験がある佐々木委員長は「アバウトでなくしっかりとつないで、ボールを動かしていた」と適応力に太鼓判を押す。言語の壁についても「対話が非常になめらかで、伝える能力の質が高い」と問題がないことを強調した。
◆ニルス・ニールセン 1971年11月3日、デンマーク出身。背中のケガで選手を諦め指導者の道へ進む。93年にデンマーク1部のオーデンセBKのU-17男子監督に就任。その後もさまざまなクラブで世代別男子の監督を歴任。13年からデンマーク女子代表監督を務めた。17年には欧州選手権で準優勝に導き退任。18年からスイス女子代表監督を務め、22年には23年W杯出場権獲得に導いた。23年にイングランド女子スーパーリーグのマンチェスター・シティーの女子テクニカルダイレクターに就任。日本代表のGK山下杏也加、FW藤野あおば、DF清水梨紗の加入に関わった。