死闘のPK戦 目をつぶり「神様にお願い」 勝利目前で失敗に膝から崩れ落ち倒れた前橋育英の監督が話題「人間味あっていい」「ちょっと笑っちゃった」
「全国高校サッカー選手権・決勝、前橋育英1(9PK8)1流通経大柏」(13日、国立競技場)
7大会前の第96回大会と同カードとなった決勝は、前橋育英が7大会ぶり2度目の優勝を飾った。流通経大柏はリベンジならず17大会ぶり2度目はならなかった。
前半12分にJ2富山に内定している流通経大柏のMF亀田歩夢(3年)が鮮やかに右足シュートを決めて先制。しかし、同31分に前橋育英のMF柴野快仁(2年)がクロスに頭で合わせて同点に追いついた。後半は一進一退の攻防が続いた中、両校とも得点を奪えず、延長戦に突入した。延長でも決着がつかなかった。PK戦では7人目まで両校成功。8人目がまさかの両校失敗。9人目には両校成功し、10人目で決着となった。
前橋育英は決着かと思われた8人目で今大会大活躍の161センチのドリブラーの白井誠也(2年)がまさかの失敗。責任を感じた白井は思わず涙に暮れ、山田耕介監督は思わず膝から崩れ落ちて仰向けに倒れ、天を仰いだ。それでも10人目で決着を付け、山田監督は「選手たちがよくやってくれた。選手を信じて絶対にやってくれると心の中で叫んでいた。高校サッカーは素晴らしいもの」と振り返った。「今日の試合はPKぐらいじゃないと勝てなかった感じはしていた。とにかく我慢して耐えて、なんとか勝つことができてよかった」。PK戦中は目をつぶっていたことを明かし、「お願いしてました。神様に。おねがいしまーす!という感じです」と明かし、白井の失敗シーンについては「白井もこれを決めたら大会が白井になっちゃうなと。ものの見事にふかしましたね」と笑って振り返った。
決勝の国立には歴代最多の5万8347人が駆けつけ、熱戦を見守った。
SNSでは「山田監督がひっくり返って空を仰いだお姿が今日のハイライト」、「前橋育英の監督人間味あっていい」、「豪快にぶっ倒れてたのはちょっと笑っちゃった」と反響の声があがっていた。