前橋育英 大熱戦制した!PK20人目で決着 相手の10人目止めたGK藤原「PKになれば俺のもの」

 流経大柏・安藤のPKを止める前橋育英GK・藤原
 雄たけびをあげる(撮影・金田祐二)
 優勝に歓喜の前橋育英イレブン
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 「全国高校サッカー選手権・決勝、前橋育英1(9PK8)1流通経大柏」(13日、国立競技場)

 史上最多5万8347人の観衆を集めて、7大会前と同じ顔合わせとなった決勝は、前橋育英(群馬)が流通経大柏(千葉)を退け、7大会ぶり2度目の頂点に立った。延長を終えて1-1で突入したPK戦を9-8で制した。流通経大柏は17大会ぶりの制覇はならなかった。得点王には堀越(東京A)の2年生、FW三鴨奏太が通算5ゴールで輝いた。

 満員の国立競技場は歓声とどよめきの連続だった。前後半延長計110分で決着がつかず、PK戦も10人目までもつれる、両者がっぷり四つの死闘。20人目のキッカーによって終止符が打たれると、両校をたたえる割れんばかりの拍手が沸き起こった。目を閉じ、祈っていた前橋育英の山田耕介監督(65)は「最後まで信じて『絶対にやってくれる』と心の中でずっと叫んでいた。高校サッカーはすばらしいもの」と万感の思いを語った。

 史上最多5万8347人の観衆が、ゴール前一点にくぎ付けになった。1人が蹴り終える度に高まる緊張感。相手が8人目を外し、優勝に王手をかけるも決められず。そんな中「PK戦になれば俺のもの」と、絶対の自信を持つGK藤原優希(3年)が相手の10人目を再び止めた。“サヨナラ”のチャンスに、前半同点ゴールを決めた柴野快仁(2年)は「何か今日持っているな」と、平常心で右足を振り抜いた。

 レベルの高いPK合戦だったが、意外にも「10~20年前までは本当にPKが弱かった」と山田監督は明かす。苦手意識を持つ余り、練習時間を多く費やすも結果が出ず。「やり過ぎても良くないな」と量から質へ指導法を変えた。いつしか苦手意識は消え、この日の試合後には開口一番で「今日はPKじゃないと勝てない気がしていた」と話すほどだった。

 指揮官にとって就任43年目で2度目の頂点だ。今大会は全て2点差以内の接戦で勝ち進み「どんどん成長していった」と充実感を漂わせた山田監督。初優勝した7年前は涙が止まらなかったが、今回は笑顔があふれていた。

 ◆前橋育英 1963年創立の私立校で男女共学。生徒数は1381人。サッカー部は1964年創部で、部員数は167人。全国高校選手権は14、16年度に準優勝し、17年度に初優勝した。主なOBはサッカー元日本代表の山口素弘氏、故松田直樹氏、細貝萌氏。野球部は13年夏の甲子園で高橋光成(西武)を擁して初出場優勝した。所在地は群馬県前橋市。

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