【福西崇史氏の視点】日本が強くなったことを証明する試合 目標のW杯優勝へ大きな強みも

 「W杯アジア最終予選、日本代表2-0バーレーン代表」(20日、埼玉スタジアム)

 日本代表、8大会連続8度目のW杯出場-。2026年W杯北中米3カ国大会の出場権をかけたC組第7戦で、日本代表はバーレーン代表を2-0で下して6勝1分けとし、過去最速となる3試合を残して8大会連続8度目のW杯出場権を獲得した。開催国の米国、カナダ、メキシコを除いて世界各地の予選突破一番乗り。後半に途中出場のMF鎌田大地(28)=クリスタルパレス=が先制し、久保建英(23)=レアル・ソシエダード=が追加点を奪った。史上初の3カ国共催となる本大会は出場枠が従来の32から48チームに拡大し、来年6月11日にメキシコ市で開幕する。

  ◇  ◇

 日本が強くなったことを証明する試合だった。勝負強さがついてきた。森保監督が掲げる全員守備、全員攻撃、そして攻守の切り替えや球際への意識も高かった。

 鎌田の先制ゴールは、相手のブロックをどう崩すかが生きていた。伊藤が相手を引き付けて飛ばし気味に出て、上田へ縦パスを出し、久保につないだところは縦の動きが見事。久保から鎌田に出したパスはイメージ通りだった。縦の崩しの練習がハマったといえる。久保も終始、ボールに触る意識や守備の意識が高かった。久保がやってくれると信じたからこそ、森保監督も彼を出し続けただろうし、結果につながったのだと思う。

 前半はバーレーンがよく守った印象だ。相手の守りが堅いことはアジア予選でよくあることだが、これをどう打開していくかが毎回、課題だ。この試合も相手はかなり対策を練ってきたが、日本は後半途中まで0-0でも焦ることなく、余裕を持ってプレーしていた。

 史上最速で本大会を決めたが、みんなこの勝利だけでは喜んではおらず、W杯優勝を目標にしている。早めに予選突破を決めたことで準備期間ができた。予選の残り3試合でどれだけ競争意識を上げられるか。いろんなメンバーを試すのか。リスクを負ってもあと3試合できるのは大きな強みだ。(2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)

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