日本代表・森保監督 異次元の包容力が進化続ける秘訣 出来事、意見、批判を全て受け止める“現実受け入れタイプ”

 「W杯アジア最終予選、日本代表2-0バーレーン代表」(20日、埼玉スタジアム)

 日本代表、8大会連続8度目のW杯出場-。2026年W杯北中米3カ国大会の出場権をかけたC組第7戦で、日本代表はバーレーン代表を2-0で下して6勝1分けとし、過去最速となる3試合を残して8大会連続8度目のW杯出場権を獲得した。開催国の米国、カナダ、メキシコを除いて世界各地の予選突破一番乗り。

  ◇  ◇

 22年のW杯カタール大会で日本を16強に導いた森保監督。大会後、日本史上初めてW杯後に続投することが決まり「まだ見ぬ新しい景色を」とW杯優勝という大きな野望を胸に、第2次森保ジャパンがスタートした。だが、道半ばの24年1月~2月のアジア杯でベスト8敗退。試合後には、MF守田がピッチ外からの助言やコンセプト共有を訴え、国内では交流サイト(SNS)を中心に、采配などに厳しい意見が挙がり暗雲が漂った。

 自身を“現実受け入れタイプ”と表現する森保監督は「コンセプトの共有ができていなかった」と素直に非を認めた。次の代表活動となった同年3月のW杯アジア2次予選には、首脳陣と選手の意思疎通を図る潤滑油としてDF長友を招集。9月の最終予選からは元日本代表で歴代最多主将の長谷部氏をコーチとして入閣させるなど、よりよい組織作りへ次々と手を打った。

 11月の同予選では、移動便で機材トラブルが発生し、羽田空港を出発後に引き返す事態に巻き込まれた。大事な一戦を前にした想定外の出来事にも「特別いら立ちとか、ネガティブな気持ちにはならなかった。仕方ないだろうという感じ」と“現実受け入れタイプ”らしく、淡々と振り返っていた姿が印象的だ。

 代表監督は、結果を出せなければ多くの批判の声を浴びる。森保監督はそれさえも受け入れる。昨年にJ1町田の試合を視察した際には、さまざまな発言で大きな批判を浴びていた町田の黒田監督に「賛否両論は常にある。もちろん批判はされたくないが、選手やチームのレベルアップにつながるヒントがあることもあるし、実際に気付かされたこともある」などと、前向きに捉えるアドバイスを送っていた。

 言葉を受けた黒田監督は「やっぱり森保さんの器の大きさというか、真のプロフェッショナルの心、考え方、思考を感じた。なるほどな。素晴らしいなって思った」と深くうなずく。森保監督は会見でも記者に「意見をぶつけてほしい」とよく言葉にする。そんな“現実受け入れタイプ”森保一だからこそ、代表は進化し続けるのだろう。

 ◇森保 一(もりやす・はじめ)1968年8月23日、静岡県掛川市生まれ、長崎市育ち。長崎日大高を卒業後、当時日本リーグのマツダに入社。後に日本代表を務めたオフト監督に見いだされ、92年に日本代表入り。93年のW杯米国大会予選で「ドーハの悲劇」を経験した。Jリーグ開幕後は広島、京都、仙台でプレー。03年の現役引退後に指導者へ転じた。12年に広島の監督に就任してJ1を3度制覇。17年に東京五輪代表監督に就き、18年W杯ロシア大会後に日本代表監督就任。22年W杯カタール大会はベスト16に導いた。

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