ザック警戒…中東の笛 劣悪ピッチ
14年のブラジルW杯出場を目指すザックジャパンが、本大会の出場権を獲得する可能性がある同アジア最終予選のヨルダン戦(3月26日・アンマン)で、早くも“アウェーの洗礼”の危機にさらされていることが7日、分かった。試合会場であるキング・アブドゥーラ・スタジアムは、劣悪なピッチ環境に加えて、昨年9月のオーストラリア戦では不可解ジャッジが連発されたいわく付きの会場。アルベルト・ザッケローニ監督(59)も警戒感を強めているという。
勝てば、開催国を除いて世界最速で本大会出場の切符をつかむヨルダン戦だが、ザックジャパンに難敵が待ち構えることになりそうだ。先月1月31日、ヨルダン戦のキックオフ時間とともに、試合会場がキング・アブドゥーラ・スタジアムであることが正式発表された。この決定が向かい風になりそうだ。
同スタジアムは昨年2月にロンドン五輪出場を目指していたU‐23代表が、アジア最終予選のシリア戦を戦い、1‐2で敗れた鬼門。GK権田がキャッチミスをするなど劣悪な環境で、チームを率いた関塚監督も「ピッチの状態は思った以上に悪かった」と嘆くなど、日本が得意とするパスサッカーには不向きな会場だ。開催地であるアンマンには、収容人数も多く設備の整ったスタジアムもあるが、代表関係者によれば「ヨルダンの監督の強い希望で会場が決まった」という。
さらに敵は芝生だけではない。最終予選ではB組最下位のヨルダンだが、ホームでは昨年9月11日にオーストラリアを2‐1で撃破するなど1勝1分けで無敗。スタジアムにはヨルダン王族で同国サッカー協会と西アジアサッカー連盟の会長、さらにはFIFAの副会長も務めるアル・フセイン王子の肖像画が飾られており、オーストラリア代表のスタッフからは「権力者に“見つめられた”審判によって、多くのプレーでヨルダンに有利な笛が吹かれた」という情報もザックジャパンの元に届いている。
3‐0快勝のラトビア戦後には「(2得点の)後半のようなプレーをしてくれれば、今後が楽しみだ」と語った指揮官。激烈なアウェーの洗礼を乗り越え、ブラジルへの切符をつかむ。