香川、意地の165日ぶり追撃弾も…
「W杯アジア最終予選、ヨルダン2-1日本」(26日、アンマン)
本田不在のトップ下を託された香川だが、チームを勝利に導くことはできなかった。2点ビハインドの後半24分、清武の落としからDFラインの裏に抜け出してダイレクトで右足を振り抜く。12年10月12日の国際親善試合・フランス戦以来165日ぶりとなる代表通算13点目のゴールで反撃ののろしを上げたが、あと1点が遠かった。
22日のカナダ戦では精彩を欠き「こういうふうに入ると、取り返しのつかないことになる」と試合後にはいら立ちを隠さなかった背番号10だが、ザッケローニ監督の信頼は揺るがなかった。この日は前半4分、清武とのパス交換からペナルティーエリアに侵入し、右足でシュートを放つがヨルダンDFにブロックされる。同25分には岡崎からパスを受け、ドリブルで中央に切れ込み右足を振り抜くなど積極的にゴール前に顔を出し、攻撃陣を引っ張った。
4年前、日本が南アW杯出場を決めた一戦を、ベンチ外の香川はスタンドから見届けることしかできなかった。1年後の本大会でも登録メンバーから外れ、サポートメンバーとしてチームに帯同。「(W杯に)出場することではなく、活躍することを想像しています。こみ上げてくるものがある。全力で決めたい」とW杯への思いは人一倍だ。
本田、長友がいない代表をけん引するという思いが強すぎたのか、合宿中の取材エリアでは指先でリズムを刻むように仕切り柵をたたいたり、耳やあごを落ち着きなく触ったりするなど自分を追い込んでいく様子ははた目にも明らかだった。ただ、トップ下として最低限の仕事はした。次戦のオーストラリア戦(6月4日、埼玉)では必ずW杯切符をつかみ取る。