香川、退任の指揮官から最後のゲキ
「W杯アジア最終予選、日本‐オーストラリア」(6月4日、埼玉)
サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選のオーストラリア戦(6月4日、埼玉)を控えた海外組が21日、続々と帰国した。イングランド1部、プレミア・リーグの名門マンチェスター・ユナイテッドでの1年目を優勝で終えた、MF香川真司(24)は19日のリーグ戦最終戦で、今季限りで退任したアレックス・ファーガソン監督(71)から来季へ向けた“最後のゲキ”を受けたことを明かした。
成田空港で100人以上の旅行客が出迎えた。空港職員が「足を止めないで下さい!」と声を張り上げる中、さっそうと香川は登場した。名門・マンチェスターUに移籍して1年。その姿には風格すら漂っていた。
リーグ戦20試合に出場し、アジア人歴代最多の6得点。合格点のように見える成績にも「結果はそこまで満足いくものではないです」。昨年秋から約2カ月、左膝を痛め離脱したこと。復帰後も得点から遠ざかったこと。目標の2ケタ得点にも届かなかった。
その中で、自分を迎え入れてくれたファーガソン監督から、最終戦でかけられた言葉が耳に残っていた。「本当に来てくれてありがとうとあらためて言われた。来シーズンはもっと良くなることを確信していると」。直々に呼ばれ、一対一での“最後の授業”に来季への決意を新たにした。
3月2日のノリッジ戦でアジア人初のハットトリックを達成すると、味方から「ボールが出るようになった」。だが、26得点でリーグ2年連続得点王のFWファンペルシーを筆頭にチームには世界トップの選手がひしめいており、「そういうところに入っていけるようにしたい」。欧州CL決勝に進出した古巣ドルトムントの活躍も刺激の一つで、「ああいう舞台で上に行きたい。上のレベルの戦いで世界に評価される」と、次の目標を欧州制覇に定めた。
さらに上を目指すシーズンを前に、まずは代表でW杯切符獲得という仕事が待っている。「3月のヨルダン戦は自分にとっては悔しい。ホームのファンの前で勝って、決める」と、史上初となるホームでのW杯出場決定へ、頭を切り替えていた。