“虎党”工藤が初代表!始球式近づいた

 「キリンチャレンジ杯、日本-ブルガリア」(30日、豊田)

 日本サッカー協会は23日、ブラジルW杯アジア最終予選オーストラリア戦(6月4日、埼玉)と、直前の国際親善試合、キリンチャレンジ杯・ブルガリア戦(30日、豊田)に臨む日本代表26人を発表した。国内組からは、大の阪神ファンを自任するFW工藤壮人(23)=柏、11年8月の代表候補合宿に参加したFW東慶悟(22)=FC東京=を初選出。前戦のヨルダン戦を欠場したMF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ、DF長友佑都(26)=インテル・ミラノ=は復帰したが、ザッケローニ監督は本田の起用に慎重な姿勢も見せた。

 猛虎魂を胸に秘めた点取り屋が、悲願の日本代表入りを果たした。吉報を聞いた工藤は「夢のようなことだったので、実感はこれからかなと。結果を残せたからこそ選ばれたんだなと思う」と、喜びをかみしめた。

 東京出身ながら、父親の影響で幼少のころから阪神一筋。取材で知り合った赤星憲広氏(現解説者)とメール交換をする仲で、夢は「甲子園で始球式をすること」。柏と同じ、千葉県を本拠地とするプロ野球・千葉ロッテから始球式のオファーが来たとしても「魂は売れません」と、断るつもりでいるほど、虎を愛している。

 「着々と(始球式に)近づいてますね」と冗談めかした工藤は、めざましい成長を遂げた。J1の得点ランクは2位タイ。今季、柏が行った公式戦全20試合で先発し13得点。約4・5日に1試合の割合で試合をこなすタフさも兼ね備えた。

 29日にはJ1広島戦があるため、代表合流は30日のブルガリア戦当日になるが、「次の日でもプレーできると思う」と、常識破りの2日連続出場に乗り気。機会は限られているが、同じく初選出の東とともに「ゴールへ迫力を持ってプレーをしている」と高く評価するザック監督に猛アピールする。

 ロンドン五輪はメンバー外。金メダルを獲得した10年のアジア大会でも主力とは言えない立場だった。「それがあったから、1点1点を積み重ねていけている」。裏街道を歩んできた新戦力が、代表でもブレークを狙う。

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