ザック監督、合宿初日から厳戒態勢

 「日本代表合宿」(26日、豊田市内)

 5大会連続のW杯出場をかける、サッカーのブラジルW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(6月4日、埼玉)へ、アルベルト・ザッケローニ監督(60)が厳戒態勢を敷いた。日本代表の海外組が26日、愛知県豊田市内での合宿をスタートしたが、冒頭以外は非公開で、目隠しのシートを張った上で監視員約10人を配置するピリピリムード。1‐2で敗れ、ヨルダン戦(3月26日、アンマン)でのW杯出場を決められなかった教訓を生かした再出発となった。

 練習場にいた選手は疲労のため宿舎で静養したDF内田を除き9人。それとほぼ同じ数の監視員が練習場の外周を取り囲んだ。ファンが少しでも足を止めて中の様子をうかがおうとすると、すかさず「恐れ入りますが…」と制止が入った。国内組が合流する27日には、監視員を倍の20人にする計画だという。

 今合宿で使用されている競技場は外壁がない部分が広く“丸見え”の部分も多い。目隠しのビニールシートでまかないきれない部分を監視員が担当した。さらに、サポートのために3人が練習に参加した愛知学院大サッカー部の関係者も、一部しか中に入れない徹底ぶりだった。

 厳戒態勢の裏には、ザッケローニ監督の強い意向があった。ある代表スタッフは「ここで非公開練習をやるのは難しいんですが…。雰囲気をつくるというのはあるみたいです」と語った。情報が漏れることよりも、ファンが練習をのぞき込んでいる状況自体を監督が嫌っていたと証言する関係者もいた。

 左膝の負傷を乗り越え代表に復帰したDF長友は「いい雰囲気でできました」と笑顔で振り返った。また、自身が欠場しW杯切符を逃した3月のヨルダン戦について、「リスクマネジメントのところで相手を甘く見ていたというのがあったと思う」とも指摘した。一切の甘さを排除して、史上初となるホーム戦でのW杯出場を決める。

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