ザック監督「分からないことは聞け」
「W杯アジア最終予選、日本‐オーストラリア」(4日、埼玉)
何がいけなかったのか、ザック先生、教えて!!サッカー日本代表は1日、さいたま市内に移動してからの初練習に先立ち、0‐2で敗れた5月30日のブルガリア戦を反省するミーティングを開いた。アルベルト・ザッケローニ監督(60)が一方的に話すのではなく、選手が手を挙げて質問する授業形式で約1時間議論。消化不良に終わった3‐4‐3の布陣の疑問を解消し、5大会連続のW杯出場をかけるオーストラリア戦に挑む。
トレーニング開始予定時刻から1時間遅れの午後5時ごろ、練習場にチームバスが到着した。遅れた理由は、選手と監督が激論を交わしたミーティング。主将のMF長谷部は「選手からも、分からないところというか、ディスカッションも入った」と振り返った。
負けた上に3‐4‐3が機能せず、消化不良に終わったブルガリア戦。ビデオを見ながら、指揮官は「分からないことは自分に聞け!!」と質問を促した。個人単位で監督と話すことはあっても、全体で授業のように議論をするのは「珍しい」(長谷部)こと。そこまでしてでも、互いの意見の溝を埋める必要があった。
効果はてきめんだった。長谷部は「みんながポジション全員の動きが分かるし、ミーティングで発言するのはすごく意義のあること」。DF今野も「監督の考えていることが分かった。逆サイドにボールがあるときに真ん中に絞る(移動する)とか。セットプレーを与えるな、という話」と納得していた。
無得点だったFW香川は「すべてが解決したわけではない」と渋い表情だったが、「次の試合は3バックは使わないと言っていたから。次に切り替えていきたい」と、気持ちをリセットした。頭に残ったモヤモヤを吹き飛ばし、埼玉でW杯出場を決める。