岡崎“ドーハの悲劇”の因縁断つ決勝弾

 「W杯アジア最終予選、イラク0‐1日本」(11日、ドーハ)

 5大会連続5度目のW杯出場を決めたサッカー日本代表は11日、W杯ブラジル大会アジア最終予選B組最終戦で、イラク代表を1‐0で下した。後半44分、FW岡崎慎司(27)=シュツットガルト=が決勝ゴールを決めた。ドーハでのイラク戦は、日本が後半ロスタイムの失点でW杯初出場を逃した1993年10月のW杯米国アジア最終予選の“ドーハの悲劇”以来。因縁の対戦を白星で飾った日本は15日(日本時間16日)開幕のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)に挑む。

 信じて走り、信じて奪った。後半44分、日本のカウンター。岡崎が中央をドリブルで持ち上がった。相手を引きつけ、左から激走する遠藤にパスを送った。「GKが自分を見ている。岡崎にパスを返した方がいい」。シュートを打とうとした遠藤がそう判断する前に、岡崎は呼応していた。

 「ヤットさん(遠藤)なら絶対にパスが来そうだと思った。最後まで走ったからこそパスが来た」。予感通りのリターンパス。倒れ込みながら右足で流し込んだ代表通算33点目。20年前、あの“ドーハの悲劇”以来の因縁の相手、イラクを土壇場で奈落の底へ沈めた。

 気温35度。砂煙が熱風に乗って舞い、行く手を阻んだ。長い芝、強引なイラクに手を焼いた。それでも、岡崎は走り続けた。サッカーは相手のある競技だが、その前に自分との闘いがある。

 「技術のある選手が増えてくる中で、自分のようなタイプの選手を置いてくれるのは、(得点への)執着心を認められてこそ。監督は自分を分かってくれている。ならば、それを信じてやっていく。もっと強く出していくだけ」

 2011年に渡独以降、法政大の杉本龍勇教授と契約を結び、走力の向上を図ってきた。走るという基本動作、体の使い方、股関節の動かし方などを学び、日々の練習で実践してきた。

 杉本教授は「もっと足が速くなりたい、もっと成長していきたい。そういう思いがあるからこそサポートできる。岡崎の熱意は冷めない。むしろ熱くなっている。一緒にいて、こんなに楽しいと強く思わせてくれる選手は珍しい」と話す。

 プレーへの貪欲な姿勢、探求心、向上心が走力のレベルアップを生んでいる。ガムシャラだけではない。岡崎が得点する理由が、そこにある。

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