意識統一へ…ザックと遠藤“緊急会談”

 「コンフェデレーションズ杯、日本‐イタリア」(19日、レシフェ)

 意識のズレをなくすため、ザック監督が動いた。サッカー日本代表は0‐3で敗れたブラジル戦から一夜明けた16日、ブラジリア郊外で練習を行った。疲労を取る軽い運動の後、アルベルト・ザッケローニ監督(60)はMF遠藤保仁(33)=G大阪=と約25分間、ピッチ上で青空会談を行った。ブラジル戦で本田、長友、香川ら積極策を目指した選手と、遠藤、内田らじっくりと試合をつくることを望んだ選手とのすり合わせを図ったとみられる。

 照りつける太陽の下、ストレッチをしていた遠藤にザック監督が歩み寄った。時には身ぶりを交え、時には険しい表情で約25分間。遠巻きに興味深そうに見つめる選手もいる中、ブラジル戦について激論を交わした。

 遠藤は「僕らが感じたものを監督には伝えましたし、監督は外から見たものを、お互い意見交換した」と振り返った。「特に新しいことはない」とはいうものの、これほど長時間の青空会談はまれ。監督には、そうせざるを得ない事情があった。

 ブラジル戦の戦い方について、チームに2つの考えがあった。遠藤は「押し込まれてもしょうがないなというのがあって、1点取られたのは計算外でしたけど、0‐0でいいというのがあった」と、じっくり試合をつくることを目指し、ある程度実践できたと評価。DF内田も「0‐0で前半を終えたら、焦るのは向こう」と、同様の考えでいた。

 反対に、DF長友は「前から行こうと決めていたけど、早い時間で失点して、次の失点を許しちゃいけない気持ちが強かった」と、消極的になったことを反省。香川は「何もできないんじゃなく、しようとせずに終わった。バラバラに終わった」。ブラジル戦後の本田も「そんなに前から行ってなかったけど、向こうのクオリティーで失点してしまった。思い通りに試合が運べなかったという点で残念です」と悔やんでいる。

 11人の考えにズレがあれば、イタリア戦(19日)での惨敗は必至。チーム最年長で、ピッチ上の監督ともいえる遠藤は「ボールがスムーズに回りながら裏を狙えるのが理想。その辺のポジショニングは修正していかないといけない」と、奮起を誓った。いかにチームに同じ方向を向かせるか、ザック監督の手腕が問われる。

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