長谷部、メキシコ戦は内容と結果求める
「コンフェデ杯・1次L、メキシコ‐日本」(22日、ベロオリゾンテ)
日本に消化試合は一つもない!!3‐4と惜敗したイタリア戦から一夜明けた20日、日本はブラジルのレシフェからメキシコ戦会場のベロオリゾンテに移動した。主将のMF長谷部誠(29)=ウォルフスブルク=は累積警告により出場できないが、内容と結果の両方を世界に示す“集大成の試合”と位置づけた。コンフェデ杯では、3チームによる1次リーグでナイジェリア、アルゼンチンに連敗した95年大会以来となる全敗だけは避ける。
重圧から解放されたような穏やかな笑顔を見せていた。だが、メキシコ戦の話題になると長谷部の顔つきが少し険しくなった。「メキシコ戦は大事になる。内容と結果、両方を求めたい」。個の力不足が露呈したとはいえ、イタリア戦でつかんだ成長のヒントを生かさなければいけない。
手応えの一つに、長谷部は「サイドチェンジ」を挙げた。「今までは片方のサイドで攻め切っていた。サイドチェンジが何回も出たから攻撃に厚みが出た」と振り返る。アジアでは片方からの攻撃だけで相手を崩すこともできたが、世界相手になると難しい。選手が監督に再三、訴えてきたことだという。
ザッケローニ監督が選手の意見を取り入れ始めている。よく言えば柔軟な対応、悪く言えば”折れて”チームに変化が生まれている。MF本田が「個の成長」を標ぼうしていることを受け、17日に長谷部と個人面談した際に「個人で勝手にプレーする、ということではないよな」と確認してきた。18日のミーティーングでも本田が「当たり前です」と否定して監督を安心させたという。監督が個と和の融合を慎重に進めていることが分かるエピソードだ。
メキシコ戦で惨敗すれば再出発のムードに水を差しかねない。警告累積のため自身は出場できないが、長谷部は「イタリア戦で示したベースはどの試合でも継続しないといけない」と断言した。W杯まで約1年。無駄な試合は1つもない。