柿谷が初選出 トップ下で本田超える
日本サッカー協会は15日、東アジア・カップ(20~28日、韓国)に出場する男子の日本代表23人を発表し、C大阪FW柿谷曜一朗(23)ら10人が初選出された。柿谷は「初めて選ばれた選手が日本代表に刺激を与えることが、強くなっていくために必要なこと」と語り、10年南アフリカW杯直前でチームの中心となったMF本田圭佑(27)=CSKAモスクワ=のように、チームを変える力となることが期待される。
遅れてきた天才が、ようやく青いユニホームを身にまとう。日本代表に初招集されたFW柿谷は「たいへん誇らしく思っています。セレッソを代表するということで恥じないプレーをしたい」と緊張した面持ちで、しかし堂々と抱負を語った。
期待されるのは、10年南アフリカW杯直前のMF本田のような役割だ。現在日本代表に君臨する絶対エースも当時のアジア予選では控え選手の1人にすぎず、代表初ゴールも本大会の約1年前だった。だが、直前に岡田監督(当時)の目に留まり1トップとして起用されると、W杯ベスト16の原動力となった。
6月のコンフェデ杯3連敗を受け、1年後のブラジルW杯に向けて閉塞(へいそく)感の漂う日本代表。主将のMF長谷部は「(本田)圭佑も予選ではほとんど出ていなくて本大会で中心選手になったし、そういう選手も必要」と“本田2世”の台頭を熱望していた。柿谷も「初めての選手が刺激を与えることは、代表が強くなるために必要」と、自身の立ち位置について自覚している。
東アジア杯でのフォーメーションについて「基本的には4‐2‐3‐1でやる」と明言したザッケローニ監督は、柿谷について「トップ下もできるし、センターラインで見てみたい」と話し、トップ下で起用するとみられる。MF山田、高萩らも候補になるが、柿谷は「どこでも頑張ります」とポジションへのこだわりは封印した。ただ、トップ下として起用されるならブラジルのピッチに立つために、本田の存在は超えなければならない壁となる。桜のエースがザック・ジャパンの序列を打ち破ることができるのか目が離せない。