香川、第2の故郷・宮城に恩返し弾だ
「キリンチャレンジ杯、日本‐ウルグアイ」(14日、宮城ス)
FW香川真司(24)=マンチェスター・ユナイテッド=が第2の故郷・宮城に恩返しをする。13日からサッカー日本代表の強化合宿に合流し、戦術を確認。ウルグアイ戦には、中高生時代を過ごした「みやぎバルセロナFC」の選手たちも観戦予定で、ゴールのリクエストもされた。東日本大震災後初となる東北での日本代表戦で“世界の香川”に育った姿を見せる。
疲れたなんて言っていられない。この日からの練習合流となった後れを取り戻すかのように、香川は精力的に居残りでシュート練習を行い、C大阪で同期だった柿谷からドリンクのボトルを手渡されて談笑もした。「自分にとっては第2のふるさとみたいな所。すごく楽しみにしていますし、それに尽きる」。宮城で日本代表としてプレーできる喜びをかみしめているようだった。
中学1年からC大阪へ入団する高校2年までの約5年間を、クラブチーム「FCみやぎバルセロナ」の一員として過ごした。ウルグアイ戦には、同クラブから選手やスタッフら約170人の大応援団が駆けつける予定だ。旧友たちから「ゴールを楽しみにしていると言っていました。たくさん見に来てくれるみたいなので、頑張りたい」と勇気づけられた。
親元の兵庫県を離れて宮城県へのサッカー留学を決意したのが12歳の時。寮生活を経験しながら、個人技練習を主とするFCみやぎバルセロナで、現在の土台となる技術を磨いた。宮城の旧友たちとの交流は“世界の香川”になった今も続く。自身が出演したテレビCMでは、元チームメートにエキストラ出演を依頼したこともあった。
宮城への恩返しと同時に、古巣・C大阪への恩返しも考えている。柿谷とは代表で初めて一緒にプレーする可能性がある。「同期ですし、競い合ってきましたから、代表として一緒にプレーできるのはC大阪のサポーターへの恩返しにもなる」と意気込む。3連敗に終わったコンフェデ杯以来の代表戦。思い出の地で再出発の一歩を踏み出す。