日本またも守備崩壊 ザックも想定外
「キリンチャレンジ杯、日本2‐4ウルグアイ」(14日、宮城ス)
ザックジャパンの守備が、またしても崩壊した。ミスからの失点が続き、日本は格上のウルグアイに2‐4と完敗。東日本大震災後、初めて被災地で開催した男子日本代表の試合を飾れなかった。ダブルエースのMF香川真司(24)=マンチェスター・ユナイテッド=とMF本田圭佑(27)=CSKAモスクワ=のゴールで一矢ならぬ“二矢”を報いたものの、試合後の選手からは守備面の反省ばかりが口をついた。日本は9月6日にグアテマラ、10日にガーナとの強化試合を行う。
ミスから失点。セットプレーからまた失点。気づけば6月19日、コンフェデレーションズ・カップのイタリア戦以来となる4失点を献上していた。7試合連続失点中で、この間の合計失点は19になった。残り1年を切ったW杯本大会へ不安が残る守乱ぶりを露呈した。
先制点が象徴的だった。マイボールのスローインを奪われると、日本の右サイドをつくロングパスにMFスアレスが抜け出した。そのまま中央に走り込んだFWフォルランに難なく決められた。ザック監督も「これだけミスが多いというのは想定外でした」と漏らす、散々な内容だった。
個人のミスも多かった。右サイドバックの内田は前半に2本、相手にパスをしてしまった。先制点のシーンではスアレスが抜け出した際に、センターバックの吉田は「オフサイドと思っていた」が、実際は相棒の今野が後ろに残っていた。守備の連係ミスが失点に直結した。
後半11分に吉田は伊野波と交代。監督は「プレシーズンでも90分出ていなかった」と吉田のコンディションを理由に挙げたが「伊野波を見たかった」とも明かした。11年のアジア杯からザックジャパンを支えてきた今野‐吉田のセンターバックコンビも、例外なく見直しの対象に入っているといえそうだ。
選手間には意見の相違が生じている。MF香川は「DFだけの責任じゃない」とした上で「守備的にやるのは自分たちのスタイルじゃない」と振り返った。対照的に内田は「もう一度考えないといけないのかな。選手としての意識を。システムを変えろと言っているわけじゃなくて」と、攻撃重視のやり方に疑問を投げかけた。W杯へ、足元を見つめ直す時が来た。