川又ザックに学んだボレー弾で鹿島撃破

 「J1、鹿島1‐2新潟」(12日、カシマ)

 新潟は日本代表候補合宿に初参加したFW川又堅碁(24)の芸術的ボレーなどで、前節首位の鹿島を2‐1で破った。「大阪ダービー」はC大阪がウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)のFKでG大阪に追いつき、引き分けた。フォルランは来日初の1試合2発。仙台は、FW赤嶺真吾(30)の2得点で今季公式戦初勝利を挙げた。3連覇を狙う広島が3連勝で今季初の首位に立った。

 代表で得たものを、すぐにチームに還元した。前半20分、右サイドで持ったMF成岡に、川又が中央から左へ流れながらパスを求めた。マークを外し、トラップせず直接左足でシュート。リーグ戦4試合ぶりとなる今季2得点目を突き刺した。

 昨季は23得点でランク2位と注目を集めたが、今季は開幕戦で左膝を痛めたこともあり、百パーセントの力を出し切れずにいた。首位鹿島からの勝利に貢献し、「ゴールを決められていなかったので、チームに長い間迷惑をかけて責任も感じていた」と、ホッとした表情を見せた。

 その決定力は日本代表・ザッケローニ監督の目にとまり、7日から3日間行われた代表候補合宿に招集。流経大との練習試合では1得点と結果も残した。ただ、W杯へのアピール以上に「いろんな人と話せた」ことが成果だったと振り返る。

 その一つが、ザッケローニ監督からの「ゴールとボールを両方見るようにしろ」という教えだった。この日の得点も、マークについた鹿島DF伊東の位置を把握しつつ「ゴールも見れた」とコースも確認。ゴールから離れながら打つ難しいシュートを的確に打ち切った。

 W杯メンバー入りは「自分はその辺にはいないと思う」と考えないようにしている。「Jで結果を出し、チームを勝たせるのが今の自分には大事」と謙虚に目標を語った。ザック監督の教えを糧にして、A代表戦出場ゼロの秘密兵器がさらなる飛躍を目指す。

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