本田攻め切る!試されるリーダーシップ
「ブラジルW杯・C組、日本-ギリシャ」(19日、ナタル)
サッカー日本代表FW本田圭佑(28)=ACミラン=が16日(日本時間17日)、拠点のイトゥでコートジボワール戦後、初めて取材に応じた。提唱する攻め切るサッカーをできなかったことを反省し「理想を貫く」と宣言した。選手の間ではコートジボワール戦の修正点について違いがあり、ギリシャ戦(19日、ナタル)までの意思統一は不可欠。本田のリーダーシップが求められる状況だ。
一度の敗戦で信念を曲げる男じゃない。「少ないチャンスで優勝するチームもあれば、20本チャンスをつくって格好良く優勝するチームもある。我々が狙っているのは理想を貫く方で、1本でも多くチャンスをつくり、取られても取り返す」。本田は攻め切るサッカーを諦めてはいない。
ギリシャ戦へ「もう少しぶっとんだアイデアが必要だったり、もうちょっとトゥーマッチ(過度)なリラックスが必要」と本田語録で訴えた。翻訳するなら「点数を考えずに攻めろ」「相手の攻撃力を意識し過ぎるな」となるだろうか。
攻撃の軸として「結果を残すことであったり、起点になること」にこだわる。ドログバやY・トゥーレの圧倒的個人技に「相手をリスペクトし過ぎた感があった」コートジボワール戦の反省を生かして、「(攻撃の)精度と質と量を増やして、相手にとって脅威になる」と言い切った。
ただ、理想と現実には隔たりがある。本田の言葉を実現させるには、前線から相手を追い込む「はめる守備」が不可欠。だが、初戦で守備陣は相手を警戒して下がり、本田らは前へ前へボールを取りに出た。両者の距離は離れ前線は孤立。これが敗因になった。
DF森重は「はまらないからもっと(前へ)となってしまったことは反省点」と前線の選手の出すぎを指摘。DF長友も場面に応じて「ゾーンでコンパクトに守るのではなく、人を見るのも必要なんじゃないか」と戦術見直しを口にしている。
意見の相違が出るのは当然のこととはいえ、チームとしてまとまらないまま試合に入れば0‐3で惨敗した昨年のコンフェデ杯、ブラジル戦の二の舞いになる。本田はチームの引き過ぎを「メンタル的な問題だと思っている。逆にこれを改善するのはそんなに難しい作業ではない」と明かした。リーダーシップを発揮し、残されたわずかな時間で意思統一を図る。