ザック監督、4年間の積み重ね信じる
「ブラジルW杯・C組、日本-ギリシャ」(19日、ナタル)
自分が見てきた4年間をザッケローニ監督は重んじた。その中心にいたのは本田だった。 18日(日本時間19日)に行われた前日会見で「本田は今までやってきたことをやるだろう。コートジボワール戦は、よくプレーした。チームでも意味ある存在」と明言した。
これまでW杯アジア3次予選のように、本田抜きで戦った期間はあった。「本田頼みのチームはつくっていない」と公言もしてきた。しかし、負ければW杯敗退濃厚のこの局面では「本田はとても重要なプレーヤー。海外でも最も重要なクラブでプレーしている。とても優秀な選手」と、あえて絶賛した。
ザック監督と本田。2人の関係は必ずしも甘いものではなかった。代表チームが不振に陥っていた昨年10月の東欧遠征では、主将の長谷部も含め、戦術面で激しく議論した。監督は縦に早く攻めたい、本田たちはつなぎたい。本田も「私も寄りましたし、監督自身も歩み寄ってくれた」と振り返った議論は熱を帯びた。結局、それ以後は試合の流れの中でもトップ下からポジション変更をすることが少なくなり、文字通り、つなぎの中心に座った。
昨年上半期には、本田を中心に「個の力」の向上を訴えるムードが代表チーム内に広まった。監督は長谷部を通じて「君らの言う『個』は自分勝手にやることではないよな」と、くぎを刺した。
緊張感を持って過ごした4年間だったが、最後は選手の力を信じるしかない。「期待は4年間の結果を踏まえての期待。チームが今までのプレーを出せばいい結果を出せると確信している」。ザック監督のやり方は正しかったのか。すべてはW杯の結果で決まる。