香川、無心で臨む「勝つ!それだけ」
「ブラジルW杯・C組、日本-ギリシャ」(19日、ナタル)
サッカー日本代表は18日(日本時間19日)、ギリシャ戦に向けて前日練習を行った。
負けられないギリシャ戦で、FW香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=が無心の境地を貫く。輝きを失ったコートジボワール戦から4日経った18日、1次リーグ突破へ勝利が必須となる戦いに向けて「変なことは考えない。自分が試合に入ることだけに集中する」と話した。アルベルト・ザッケローニ監督(61)は4年間の集大成としてギリシャ戦に臨む考えを示し、FW本田圭佑(28)=ACミラン=への期待を口にした。
もう迷わない。胸の奥からわき上がる不安や焦燥、それらをすべて排除する。「自分の口から言えるのは、試合で勝つ。そして結果を残す。それだけです」。シンプルな言葉に香川は決意を込めた。
無心で臨む。背水のギリシャ戦。背番号「10」の双肩にかかる期待という重圧は、決して軽いものではない。それでも言う。「変なことは考えていない。試合開始である19時、最初から全力でチームのために戦う。ボールタッチとか変なことや、相手とか全く気にしてない。自分が試合に入ることだけ。無心?そういうことですね」。覚悟は決めた。
自身にとってW杯デビュー戦となった、14日のコートジボワール戦。不発に終わった夜は満足に眠れなかった。十分な調整を行い、分析し尽くしたはずの相手だったが、プレー中は分析内容など相手の対応策ばかりが頭の中を占めた。重圧、緊張感に包まれて本来の輝きは消えたが、後悔と共に燃え上がったのは反骨心。「W杯のために4年間やってきた。このままでは終われない」
復活のためにたどり着いた無心の境地。コートジボワール戦翌日に香川にゲキを飛ばした大久保が「アイツはうまいからだけど、考え過ぎるところがある」と話すように、「無心」は理想の精神状態の一つでもある。
これまでのサッカー人生で、無心で臨めた試合は「あんまり覚えていない。数試合」とわずか。理想の状態に持って行くことは容易ではないが、その扉を開けた時、本来の輝きが日本を照らす。