ザックと逆路線!アギーレの哲学3カ条
サッカー日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が11日、羽田空港着の航空機で来日し、都内で就任会見を行った。日本代表史上初のメキシコ人指揮官は、自身のサッカー哲学について「とにかくたくさん走る、良いプレーをする、そして勝利する。この3つだ」と表明。守備を固めながら勝利を目指す方針を打ち出した。アギーレ流の哲学を代表に注入し、4年後のロシアW杯を目指す。
降り注ぐフラッシュを浴びながら、アギーレ新監督が力強く所信表明を行った。「素晴らしい国、素晴らしい選手がいる国で(監督を)やれることになりうれしく思う。2018年のロシアW杯にはぜひ出場したいと思っている」。新たな日本代表がスタートした瞬間だった。
戦う集団を作り上げる。サッカー哲学を問われた指揮官は「非常にシンプル。『とにかくたくさん走る、良いプレーをする、そして勝利する』。この3つだ。選手には国を代表して戦うことを肝に銘じてほしい。キーワード?スペイン語と同じニュアンスかわからないが、とにかく『コミット』(責任を果たす)すること」。穏やかな表情の中にも、強い信念が垣間見えた。
前任者であるザッケローニ監督は、攻撃的なサッカーを標ぼうしたが、アギーレ新監督の勝利へのアプローチ方法は逆。基本的な考え方として「日本はメキシコに似ている部分がある。自分としては守備を固めてしっかりと勝利を目指したい」とし、ベースとなる基本布陣も「試合展開によってフレキシブルにしていくが、ベースは4‐3‐3だと思う」と構想を語った。
これまでの継続性という点については、原専務理事が「アギーレ監督は代表監督の経験もあるし、リーグでも(下位に沈む)難しいクラブで守備をしっかりやって残留させた。むしろ強いチームを勝たせることよりも難しい」とフォロー。ちぐはぐ感は否めないが、強豪相手への勝利が最終目標であるという点では一致している。
4年後に迎えるロシアW杯。本大会出場以外では具体的な目標を掲げなかった指揮官だが、16強という過去のW杯最高成績を超える可能性について「もちろんある」と断言。「世界トップの国と日本の違いは(世界大会の)タイトルがあるかないか。それだけかなと思う」。初陣となる9月5日のウルグアイ戦へ向けても「時間はないが、やる気はいっぱい。精いっぱいやりたい」。日本代表の新たな挑戦が始まる。