“持ってる”慶大生・武藤が同点ゴ~ル
「J1、鹿島2-2FC東京」(30日、カシマ)
日本代表に初選出された若手たちが、勝負強さを発揮した。FC東京のFW武藤嘉紀(22)は後半42分に自身初の2戦連続ゴールとなる同点弾を決めた。広島FW皆川佑介(22)は前半32分にPKを沈め、これが決勝点となり、神戸MF森岡亮太(23)も後半47分に決勝ゴールを決めた。浦和は大宮との「さいまたダービー」に4‐0で大勝し、首位を堅持した。
ゴール前の混戦からこぼれたボールは、期待のホープの“引力”に引き寄せられてるように転がった。1‐2の後半42分。アギーレジャパンに選出されたFW武藤が右足で同点弾。「こぼれて来いと思っていたが、まさかあんな良いところにこぼれてくるとは」。勢いに乗っている何よりの証しだった。
窮地を救った。前半10、26分に立て続けに失点。2点を追って突入した後半、流れを引き戻したのも武藤だ。「1回のチャンスを狙って、感覚を研ぎ澄ませていた」と縦パスに素早く反応すると、反撃の狼煙(のろし)となるPKを獲得。1点差に詰め寄った。攻守両面で精力的に走り回りながらも「体力は残っていた」と後半41分には、DF太田の左クロスに相手DFの背後から素早く回り込み、頭で合わせた。惜しくもゴールはならなかったが、豊富な運動量に加えて、駆け引きのうまさも光った。
代表選出後、一気に注目度も上がった。「マークも警戒されているなと感じた」と語る一方で「試合へのモチベーションなどはいつもと変わらない。謙虚に、泥くさくやるだけです」と冷静だ。9月1日から始まる代表合宿に向けても「あこがれの選手ばかりなので楽しみ。一緒にやりたい人?本田選手は小さいころからのあこがれ。萎縮することなくやりたい」と堂々と語る。
この日のゴールは自身初の2戦連発。快足を飛ばしてJのピッチを駆け回るシンデレラボーイは、勢いそのままに代表での戦いに挑む。