現役慶大生・武藤、上々の代表デビュー
「キリンチャレンジカップ、日本0-2ウルグアイ」(5日、札幌ド)
現役慶大生JリーガーのFW武藤嘉紀(22)=FC東京=は、後半13分からピッチに立った。終了間際には惜しいシュートを放つなど、上々の代表デビューとなった。
期待の新戦力が北の大地に確かな一歩を踏み出した。後半13分、A代表初選出のFW武藤が代表デビューのピッチに入ると会場は大きな歓声に包まれた。
最大の見せ場は終了間際に訪れた。0‐2の後半43分、敵陣で相手パスをインターセプトすると迷わず左足を振り抜いた。「イメージ通りの軌道」(武藤)を描いたボールは相手ゴールを強襲したが、史上28人目となる代表初出場得点は左ポストに阻まれた。
「ボールの置き所も良かったし、決めてやろうと思って打った。代表は重みがあるし軽はずみなプレーはできない。普段の雰囲気と違い緊張しました」と初々しく振り返った。
交代直後は4‐3‐3の左FW、途中からは一度も試していない4‐4‐2の右MFに入った。「自分としては戸惑いはなかった」と適応力も発揮した。
アギーレ監督は「非常に若いが恐れを感じないプレーが良かった。彼にとって素晴らしいキャリアの姿になった」と手放しでたたえた。主将のFW本田も名指しこそしなかったが「タレントのある選手ばかり。ここから伸びるかは彼ら次第だが僕が代表に入った時に比べれば彼らの方が上」と新戦力に対して賛辞を惜しまなかった。
「自分のプレーがうまく出せると分かった。個で勝てるように、違うアクセントも加えていければ」。22歳の現役慶大生は、真っすぐな瞳でさらなる高みを見つめていた。