「日本代表合宿」（６日、新潟）

　サッカー日本代表は、ジャマイカ戦とブラジル戦へ向け新潟市内で合宿を開始した。惨敗したＷ杯ブラジル大会以来の代表復帰となったＦＷ香川真司（２５）＝ドルトムント＝は、起用が予想されるインサイドハーフで新しい姿を見せつけると宣言した。また、ハビエル・アギーレ監督（５５）は、０２年日韓Ｗ杯で初勝利を挙げた思い出の地・新潟で日本代表初勝利を誓った。

　生まれ変わった姿を見せる。ブラジルＷ杯以来の代表復帰となったＭＦ香川は「新鮮な気持ち。メンバーも替わってすごく緊張感もある」と表情を引き締めた。

　Ｗ杯は１次リーグ敗退で自身も無得点。初めての大舞台は失意のまま終わった。「自分に対して、サッカーに対して不十分だった。もっとサッカーと向き合いたいし、あの悔しさを繰り返すわけにはいかない。４年後勝つためにどうすればいいのか常に考えているし、ブラジルでの結果をどう生かすのか、今まで通りでは駄目」と危機感をあらわにした。

　代表での主戦場は左サイドから中盤に移る。アギーレ監督は香川を４‐３‐３のインサイドハーフでの起用を明言している。「やったことがないので、どういうことを考えているのか話をしていければ。監督の求めることに従ってやるだけ」と自然体で言い切った。指揮官は「チーム全員がそろったら（香川とも）全体または個別で話したい」と今合宿中での“個人面談”も示唆した。

　古巣では輝きを取り戻した。マンチェスターＵを構想外となりドルトムントに完全移籍。先月１３日の復帰初戦でいきなりゴールネットを揺らすと、１日の欧州ＣＬ・アンデルレヒト戦では先制点をアシストするなど３得点すべてに絡み、欧州サッカー連盟（ＵＥＦＡ）の公式ＨＰでマン・オブ・ザ・マッチにも選出された。「試合に出ることが何よりも大事。サッカーができる喜び、楽しみを感じている」。そう語る表情には自信がみなぎっている。

　この日は降りしきる雨の中、リカバリー中心のメニューをこなした。３対３のサッカーバレーでは、ＭＦ森岡、柴崎とチームを組みリラックスした笑顔を見せた。９月の代表合宿は脳しんとうの影響で招集されなかった。「代表への思いは常にある。これからがスタートだし、この２試合でチャレンジしていきたい」。北陸の地で“新しい香川真司”を見せつける。