アギーレJ連勝締め アジア連覇へ弾み
「国際親善試合、日本2-1オーストラリア」(18日、ヤンマー)
日本代表は年内最後の強化試合となるオーストラリア戦に臨み、2-1で勝利した。立ち上がりは出足の鋭い相手に苦戦したが、前半途中にシステム変更すると息を吹き返した。後半16分には途中出場のMF今野泰幸(31)=G大阪=が先制点。同23分にはFW岡崎慎司(28)=マインツ=がAマッチ通算40得点目を決めて加点。終了間際に失点したが、連覇を狙う来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向け、14年を勝利で締めくくった。
自らに課した勝利という唯一無二のタスクを、着実に達成した。試合後の会見場。アギーレ監督は納得の表情で言葉を紡いだ。「目的は果たせた。それは勝つことだった。アジア杯に向かうチーム作りの、最後のところを行えた」。アジア連覇への足場は固まった。
光ったのは多様性。前半途中、MF長谷部の左右のスペースを突かれる展開に、指揮官は長谷部にシステム変更を伝えた。新体制発足後、基本布陣となっているワンボランチのアンカーシステムから、ダブルボランチへとスイッチ。それまではチーム全体でシュート1本だったが「(ピッチの)中でも変えた方が良いかと話していたところだった」と長谷部。これがはまった。
システムだけではない。攻め込まれた前半は「相手陣地でプレーすることが重要だった」(アギーレ監督)とシンプルなロングボールを多用。相手の運動量が落ちた後半には、パスをつなぐスタイルが復活。MF今野の先制点の後には、流動的な攻撃でアジア最大のライバルを圧倒した。スタイルにこだわり、惨敗したブラジルW杯から成長があった。
就任から6戦。「チームは計画通りに前進している」と指揮官が話せば、6戦すべてに出場するFW本田も「監督が言うように、勝利を目指して勝ち取る。有言実行できたのが収穫」。アギーレ流は着実に浸透している。
連覇がかかるアジア杯。2連勝で年内を締めくくった指揮官は「就任当初から、アジア杯は勝たないと、と話していた。それは変わらない。誰が、どういうプレーをしても、その気持ちで挑む」。再びアジアの頂点へ。歩みは止めない。