アギーレ、八百長疑惑質問連発にムスッ
「アジア杯・1次リーグ、日本-パレスチナ」(12日、ニューカッスル)
12日にパレスチナとの1次リーグD組初戦を迎えるサッカー日本代表は11日、試合会場で公式練習を行った。前日会見ではハビエル・アギーレ監督(56)に対し、スペイン1部リーグ時代に八百長に関与した疑いで告発された問題について海外メディアから質問が集まり、指揮官が気色ばむ場面もあった。また、チームは主将MF長谷部誠(30)=Eフランクフルト=の呼びかけで前日10日に選手間ミーティングを行い結束を強めた。
会見場の空気がピリっと張り詰めた。「監督が抱える八百長疑惑でチームに与える影響をどう考えるか」。会見の終盤、海外メディアから指揮官が抱える八百長疑惑についての質問が飛ぶと、それまで穏やかな笑みを浮かべていたアギーレ監督の表情が固まった。
指揮官は「私に答えられるのは、この件については3週間前に会見をしているので、この場では答えませんということ」と返答したが、すぐに別のメディアから「八百長疑惑を受けて、監督の職を辞任するという考えはないのか」と厳しい質問が浴びせられた。指揮官は怒りを押し殺した表情で「私は4度のW杯、4度のゴールド杯(北中米カリブ海選手権)、3度のコパ・アメリカ(南米選手権)を戦ってきたが、いずれの大会でもサッカーの話のみをしている。初めてとなるアジア杯でもそうしたい」と強い口調で話し、会見を締めくくった。
会見後、質問したロンドンに拠点を置くSNTVのキャロル記者が指揮官の返答に「答えになっていない。“協会から十分なサポートを受けているのか”ということを聞きたかったのだが」と語れば、辞任の考えを問うた英BBC放送のジャズミ記者も「あの答えには満足していない」。両記者によれば一連の疑惑について欧州での関心は高いという。
大会を主催するアジア・サッカー連盟も今大会から八百長を厳しく監視していくことを発表した。周囲の雑音は収まる気配がないが、会見に同席したMF長谷部が「断言できるのは、その影響は全くないということ」と語るなどアジア連覇を目指すチームは一丸ムードだ。勝利を重ねることで雑音を封じていくしかない。