アギーレ監督 快勝一夜明けでカミナリ
「アジア杯・1次リーグ、日本-イラク」(16日、ブリスベン)
1次リーグD組初戦でパレスチナに4-0で快勝した日本代表は一夜明けた13日、ニューカッスルで軽めの調整を行った。練習前の円陣では、ハビエル・アギーレ監督(56)が選手たちにクロスの精度向上を厳しく求めるなど、前々回優勝したイラクとの第2戦へ引き締めにかかった。チームはその後、イラク戦が行われるブリスベンに移動した。
澄み切った青空の下に、アギーレ監督の“カミナリ”が落ちた。全選手を集めての円陣で、指揮官は強く訴えた。「勝利は非常に良かったが、一つ気になったのがクロスの精度だ!」。約5分間、身ぶり手ぶりを交えて修正を求めた。
試合後の会見では「ミスはあったが、相手が良かった部分もある。結果に対して喜ぶべきだ」と語っていたが、クロスの精度に関して不満を抱えていた。2アシストを含め3得点に絡んだMF香川については、後半4分のDF吉田の得点に結びついたクロスに「あれは(吉田)麻也を狙ったものではないはずだ!」と断じた。
オーストラリア入り後は、クロスボールでのサイド攻撃の強化に取り組んできた。もっとも、効果的な攻撃になかなかつながらず、試合中は「ニア(ボールに近いサイド)で相手守備に引っかかるたびに、監督はほえていた」と振り返る選手もいた。
2連覇へ向けた、アギーレ監督なりのマネジメント手法といえる。試合後「課題は残っているが、それに対する個人名は挙げたくない」とミスした選手を気遣った一方で、一夜明けて選手全員に強く改善を要求。優勝を手にするまで手綱は緩めない。