武藤 夢のW杯へ「自分にむち打って」
FC東京のFW武藤嘉紀(22)が、「幼いころからの夢」をかなえる戦いに身を投じる。18年W杯ロシア大会アジア2次予選初戦のシンガポール戦(16日、埼玉)に臨む日本代表に選出された1日、練習後に報道陣に囲まれると、こう語った。
「W杯は試合も見に行ったし、幼いころからの夢なので出たい。家族でも見ていた。そこに立つためのスタートのメンバーに入れて良かった」
9歳だった02年日韓W杯は、アルゼンチン-スウェーデン戦を家族で観戦した。そのときから徐々に膨らんだ夢の舞台。3年後のロシアの地を目指し、厳しいアジアの戦いと、し烈な定位置争いに挑む。
「実力のみの戦い。自分にむち打って強くなっていく。アピールしなければ、そぎ落とされていくので」
今夏には、念願の欧州への挑戦も始まる。慣れ親しんだ環境から、ドイツ1部マインツへと渡る。
「ここからは自分自身でどう未来を切り開けるか。ドイツ語は難しいけど、早く習得したい。ここを離れるのは寂しいけど、自分が選んだ道なので」
宇佐美(G大阪)、柴崎(鹿島)と同学年だが、代表と名のつく場所に選ばれたのは、昨年8月に発足したアギーレ・ジャパンの初陣が初めて。遅咲きのプラチナ世代は自分磨きを続ける。
「日本代表としての誇りを持って泥くさくやっていきたい」
さらにまばゆい光を放つため、武藤嘉紀がロシアを目指して、大きく踏み出す。