U22 最終予選へ2発快勝で視界良好
「U22国際親善試合、日本2-0コスタリカ」(1日、ユアスタ)
16年リオデジャネイロ五輪を目指すサッカーのU-22日本代表はU-22コスタリカ代表を2-0で下した。前半36分にMF野津田岳人(21)=広島=のゴールで先制すると、後半32分には途中出場のMF金森健志(21)=福岡=が追加点を決めた。かつて仙台を率いた手倉森誠監督(47)は“凱旋試合”を白星で飾った。同代表は来年1月に五輪最終予選を兼ねたU-23アジア選手権(カタール)に臨む。
若き日本代表が大きな可能性を見せた。半年後に迫った五輪最終予選に向けて最後の公式戦となった一戦。「これは親善試合じゃない。強化試合だ。日本代表として出ている以上、日本の魂を示さないといけない」という手倉森監督の檄に選手が応えた。
シュート22本を浴びせてコスタリカを圧倒。チーム立ち上げ後初となるアジア勢以外との対戦にも危なげなく勝利した。指揮官は「攻撃の優先順位やバリエーション。守備では前線からのプレス。選手たちは成長していると手応えを感じた」と満足げに振り返った。
最大の収穫はスタメン出場のMF前田直輝(20)=松本=、後半開始から出場したMF喜田拓也(20)=横浜M=ら代表復帰組だった。3月の五輪予選では招集されなかった2人だが所属チームで出場時間を確保。指揮官はJ-22選抜でプレーを続けたMF井手口陽介(18)=G大阪=の名前も挙げ、「よくここまで成長してくれた」と称え、「試合に出ることを条件にハッパをかけていきたい」と選手間のさらなる競争をあおった。
守備では5試合連続無失点とDF陣も安定感を増し「守備意識が高まっている」。試合終盤には今合宿では試すことがなかった逃げ切りを想定した3バックも試し、「システム変更にも柔軟に対応してくれた」とうなずいた。
08年から13年まで仙台を率い、現在も仙台に居を構える手倉森監督にとっては凱旋試合。万感の思いでかつての本拠地を踏みしめ「2つのゴールと勝利を届けられてよかった」と笑みを浮かべた。今後はJ3のJ-22選抜をU-22代表で編成して強化を図っていく。6大会連続の五輪出場へ“最終テスト”で確かな収穫を得た。