攻めのハリル、攻撃パターン増やす
日本サッカー協会は5日、W杯ロシア大会アジア2次予選のシンガポール戦(12日・シンガポール)、カンボジア戦(17日・プノンペン)に臨む日本代表23人を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は、GKを除いてポジションごとに各2人を選出していたメンバー構成を変更。DF枠を1人減らし、FWを6人から7人に増やした。決定力を欠いた前回対戦の教訓から、攻撃面でのバリエーションを増やすことが狙いだ。
もう“悪夢”は見たくない。会見に登壇した指揮官は、強い口調で語った。「今回、初めて右サイド(バック)を一人だけというのを試す。FW、真ん中に人数をかけたいという思いからだ」。これまで8人選んでいたDFを削減。6人だったFWを1人増やした。
苦い記憶は、いまだにハリルの脳裏に残っている。2次予選初戦となった6月のホーム・シンガポール戦は、シュート23本を放つも0-0のドロー。この日も「まだ理解できていない。こんなにもチャンスを作ったのに」とぼやいた。9月のホームでのカンボジア戦でも34本のシュートを浴びせながら得点はわずか3点にとどまり、ともに消化不良感が残った。今回の2連戦で同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。
FWの増員は、攻撃時のバリエーションを増やすことが目的。戦術面に関してもハリルは「既に私の頭の中にはうまくいかなかった時のために2、3つの解決策がある」と豪語する。具体的には「(統計的に全ゴールの)86%か87%が生まれている」と指摘するペナルティーエリア内への進入を、質と量ともに選手にレベルアップを求めていく。
「これは我々自身のリベンジだ」と何度も口にしたハリル。攻めて攻めて攻め倒す。年内最後の2試合を、ゴールラッシュで飾る。