左利きボランチ柏木代表定着へ闘志

 「W杯アジア2次予選、カンボジア-日本」(17日、プノンペン)

 サッカーのW杯ロシア大会アジア2次予選でシンガポールを3-0で下した日本代表は13日、カンボジア戦に向けてシンガポール市内で約1時間、練習を行った。シンガポール戦でハリル体制初先発を果たし、存在感を放ったMF柏木陽介(27)=浦和=は、過去の代表でも例の少ない“レフティー・ボランチ”としての代表定着を誓った。日本代表は夕方、プノンペンに移動した。

 日の丸への思いを新たにした。一夜明けた練習場。疲労回復を目的とした軽めのランニングメニューをこなす柏木の表情は明るかった。

 ハリル体制で初先発し、ボランチの位置からゲームを組み立てた。多くの知人から祝福のメールが届き、ハリルホジッチ監督も「素晴らしい表現をしてくれた」と合格点を与えた。もっとも「自分としては、昨日の相手では、できて当たり前」と満足はしていない。

 代表の歴史においても、例が少ないスタイルを目指す。「今まで左利きのボランチは少なかった。左利きならではのこと、左利きでやれることをやっていきたい」。代表における左利きのボランチは、磐田などで活躍した名波浩氏ら数少なく、柏木は定着へのビジョンを描いている。

 北京五輪を目指す世代別代表で存在感を放ち、07年のU-20カナダW杯では10番を背負ったが、五輪本大会はメンバー落ちした。FW本田、DF長友ら、かつての仲間が大きく羽ばたいていた中、地道に代表復帰へとたどり着いた。

 カンボジア戦に向け「(出場があってもなくても)常に準備する」と慢心はない。ひたむきに努力し、出番を待つ。

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