日本サッカー協会は１８日、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたＵ－２３アジア選手権（来年１月、カタール）に臨む男子の日本代表２１人を選出した。主将のＭＦ遠藤航（２２）、ＭＦ南野拓実（２０）らが選出された一方で、登録枠２３人に対し、２枠を残す異例の発表となった。手倉森誠監督（４８）は「まだまだ悩みたい。時間が必要」と話し、沖縄合宿最終日の３０日に残り２人を発表する。

　指揮官の苦悩が表れていた。発表された最終予選メンバーは２１人。最大２３人の登録枠に対して２人を残す異例の形となった。発表前日まで悩み抜いた手倉森監督だったが、結論は出せなかった。「最後まで悩みたい。私自身に時間が必要」と苦しい胸中を明かした。

　前線の選手選考に決め手を欠いた結果だ。今月の中東遠征ではイエメン、ウズベキスタン相手にいずれも０－０で引き分け、深刻な得点力不足を露呈した。通常なら４人選ぶセンターバック（ＣＢ）を３人に抑えた。負傷や出場停止でＣＢが不足するリスクを冒しても攻撃重視に傾くべきか。「前線に重心を掛け、攻撃の武器、特徴ある選手を入れるべきか」と話す指揮官の決断は揺れている。

　残り２枠は３０日に発表される。２２日から始まる石垣島合宿には今回メンバー入りしなかった１０人も参加。さらに手倉森監督は「いろいろなオプションを生んでくれる１５人が残っている」と、天皇杯で合宿不参加のＭＦ関根（浦和）、ＦＷ鎌田（鳥栖）ら６人の名前も挙げた。ＧＫ３枠は埋まっているため、牲川（磐田）を除く実質１５人のサバイバルとなる。

　６大会連続の五輪出場を危惧する声も少なくないが、指揮官は「チームに不安要素はない」と強調。その上で「ぜひ心配してほしい。心配した先に応援してほしい。選手に火をつけるのは国民しかない」と呼び掛けた。最終予選初戦の北朝鮮戦（１月１３日）まで１カ月を切った。指揮官の最終決断に注目が集まる。