U23手倉森監督サッカー熱一気挽回だ
4年に一度の五輪イヤーが幕を開けた。サッカーU-23(23歳以下)日本代表は6大会連続の五輪出場を懸けて、12日に開幕するリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(カタール)に臨む。同代表を率いる手倉森監督(48)がインタビューに応じ、決戦への意気込みを語った。
-いよいよ最終予選が始まる。
「活動日数は今までの五輪代表よりだいぶ短かったが、手応えは感じている。集中開催は確かに難しい。でも、難しいからこそ自分は引き受けた。就任時の思いを今も思い起こす。いよいよその時が来たなと」
(続けて)
「リオでのメダルを目指すにあたり、選手には18年ロシアW杯を目指せと言っている。五輪が全てと思ってほしくない。今回の競争が生きてロシアにつながれば。そう考えれば何が何でも出なくてはいけない」
-五輪をどのように捉えているのか。
「五輪に出るための監督ではあるが、(14年の)ブラジルW杯で負けた悔しさというのも自分の中にある。W杯の悔しさを晴らすのはW杯しかない。その途中にある五輪はすごく大事。リオでメダルを取ることが自分の仕事の全てだが、その先の日本サッカーが成長しないと意味がない。何とかW杯につなげたい」
-現在、5大会連続で五輪に出場中。
「大会方式が違い難しさもあるが、乗り越えた先に勝ち取るものはこれまでより大きい。さらにメダルを取って歴史を変え、日本国民に勇気と感動を与え、誇りとなれれば。裏を返せば、それだけ大きな仕事。選手には5大会続けていることを途切れさせる重大さという話もしている。誇りになれるチャンスが(ファンの)怒りに変わる場合もある。両極端の状況で、誰でもできる仕事じゃない。だが、成し遂げた時にはより成長できる」
-昨年は遠藤航(浦和)、南野拓実(ザルツブルク)らがA代表に入った。
「チームにとって影響は大きい。自信が付いてきている。航なんかは五輪代表に来たら物足りないんだろうな。ただ、他の選手はA代表でやっている選手とトレーニングすることで(力が)引き上げられている。彼はこの世代をロシアにつなげる『船頭』の役割」
-対戦相手の印象は。
「フィジカル的だなと。北朝鮮とタイには小気味良さがある。敏しょう性と機能性で上回らないと厄介な相手。サウジアラビアは長い距離をいとわず走り、しなやかさもある。日本は耐久力が必要になってくる。北朝鮮戦の最初の20分間で大会の流れが決まってくる。最初にプレッシングをしてくれば、自分たちが望むような、仕掛け合う大会になる。予選を突破して、準々決勝で勝つことがこのチームの鍵。準々決勝の壁を破れていないチームであることは確か。ただ、破ったらこのチームの可能性は限りなく広がる」
-16年を景気よくスタートさせたい。
「国民をくぎ付けにする役割がある。戦っている内容もそうだけど、勝たないと人々を呼び込めない。(最終予選は)1試合1試合がものすごい試合になる。五輪に何が何でも出たいという気持ちがあふれるプレーで、サッカーを見守りたいという国民を増やしていければ。昨年はラグビー熱が一気に上がったけど、1月にはサッカー熱を一気に挽回したい。カタールということで、大いに可能性をカタール(語る)年になってくる」