U23手倉森監督決める!ドーハの歓喜
「サッカー・U-23アジア選手権・準決勝、日本-イラク」(26日、ドーハ)
リオデジャネイロ五輪出場権を懸けた大一番の相手は、前回王者のイラクに決まった。23日に準々決勝の残り2試合が行われ、イラクがアラブ首長国連邦(UAE)を延長の末、3-1で下して4強入り。26日の準決勝で日本はイラクと対戦する。イラクとは過去2戦2敗。視察した手倉森誠監督(48)は「縁があるね」と静かに闘志を燃やした。因縁の相手を打ち破り、6大会連続10度目の五輪出場を決める。
五輪切符を懸けた決戦の相手は、因縁のイラクに決まった。イラク-UAE戦を視察した手倉森監督は試合後、「縁があるね」という一言に実感を込めた。
手倉森ジャパンは過去イラクに2戦2敗。14年1月のU-22アジア選手権、同年9月のアジア大会で苦杯をなめた。さらに、MF遠藤らが出場した12年11月のU-19アジア選手権でも敗れている。
世代最強の呼び声が高いイラク。中でも手倉森監督は1得点1アシストのFWモハナドの名前を挙げ「危険だね」と警戒した。12年U-19アジア選手権MVPで、同年のアジア年間最優秀ユース選手に輝いた背番号8は、A代表でも20試合4得点を記録している。準々決勝では精彩を欠いたが、“イラクのメッシ”と称されるMFフマムも侮れない。左利きの19歳は、14年アジア大会日本戦でも1得点を挙げている。
付け入る隙は十分にある。日本と同様に延長を戦ったが、準決勝まで中2日のイランに対して日本は中3日。「ラフでタフなプロレスサッカー」(手倉森監督)で、準々決勝では31個のファウルを犯し、イエローカード4枚の肉弾戦を演じた。消耗度合いは激しく、コンディションでは日本が優位に立つ。
また、過去の日本戦で計3得点を奪ったセリエA・ウディネーゼ所属のDFアリ・アドナンの招集にも失敗し、戦力低下は確実。イラクのアブドゥルガニ監督は日本について「よく知られたチームで確かなスタイルを持つ。研究し、戦術を練りたい」と話した。
ドーハの地で行われるイラクとの決戦。思い出されるのは93年10月28日の“ドーハの悲劇”。歴史を繰り返すわけにはいかない。93年生まれ以降のリオ世代が五輪切符をつかみ取り、悲劇を歓喜に変える。