手倉森JAPAN 五輪へ収穫ドロー
「練習試合、U-23日本代表1-1スポルティング」(28日、リオマイオール)
リオデジャネイロ五輪に出場する男子のU-23日本代表は、若手中心に構成された同国1部のスポルティングと1-1で引き分けた。前半にPKで先制されたが、後半31分にMF原川力(22)=川崎=がPKを決めて追い付いた。チームは25日にU-23メキシコ代表に勝利しており、1勝1分けで今回の遠征を終えた。29日にポルトガルを出発し、30日に帰国する。
チームに浸透する粘り強さが垣間見えた。前半は押された日本だが、崩れずに後半踏ん張って引き分けに持ち込んだ。同点のPKを決めた原川は五輪最終予選決勝の韓国戦を引き合いに出し「予選で2点のビハインドからでも勝てた。全体で自信になっている。1失点しても動揺しない」と精神面の成長を口にした。
試合前、ピッチにたっぷりと水がまかれた。手倉森監督は「案の定、コントロールを欠いてミスをした。わざと難しくした。実は狙い通り」と言う。前半は足元の技術に秀でる相手に苦しみ、先制点を許した。
2トップに金森(福岡)、オナイウ(千葉)を先発させたが、攻撃は空回り気味だった。後半17分に鎌田(鳥栖)をトップ下に入れて4-5-1の布陣にすると、リズムが生まれる。鎌田から両サイドへ効果的なパスが散らされ、押し込む形が増えた。19歳のMFは「ある程度、ボールに関われた」と、うなずいた。
序盤にギアを上げて先行し、逃げ切ったメキシコ戦。スポルティング戦は逆に、前半に主導権を握られながら引き分けた。二つの異なる展開を経験できたことも大きいだろう。南野(ザルツブルク)は「負けずに帰れるのは良かった」と五輪への収穫を強調した。