富樫鮮やかデビュー弾 1年前は大学生

 「サッカー・国際親善試合、U-23日本3-0ガーナ」(11日、鳥栖ベストアメニティスタジアム)

 リオデジャネイロ五輪に出場する男子のU-23日本代表は3-0でガーナ代表に快勝した。代表での公式戦初出場を果たしたFW富樫敬真(22)=横浜M=が前半30分、鮮やかなループシュートでデビュー弾を決めた。MF矢島慎也(22)=岡山=も先制点を含む2ゴールを決めた。

 冷静だった。2-0の前半30分、相手GKが突っ込んでくる光景を、FW富樫の目はとらえていた。「GKが早い段階で出てきたのでループを選択した。イメージ通りです」。柔らかな弾道でデビュー戦ゴールを飾った。

 “サクセスストーリー”を歩んでいる。「去年の今頃は(プロの)どこからも声がかかっていなかった。今の自分はまったくイメージできていなかった」という。関東学院大のサッカー部員。横浜Mの練習人数が足りない際には練習生として参加していた。だが、そこから横浜Mの特別指定選手となると、昨年9月のJ1デビュー戦でも初ゴール。プロ契約を勝ち取り、今では世代別代表にも呼ばれるようになった。

 リオ五輪への思いは増すばかり。「入りたい気持ちは大きくなるが、今はそれだけではダメという感情も出てきた。リオで日本のために戦うという使命がある。行くだけで満足するような選手はいけない」。FWとして、結果にこだわるだけに「後半は疲労で動きの質が落ちた。自己採点?プラスマイナスゼロ」と満足感はない。

 メンバー登録まで、残された時間は少ないが「この悔しさを糧にやっていきたい」。リオで日本に歓喜をもたらすために、高みを目指して走り続ける。

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