U23手倉森監督 リオへ最終テスト
リオデジャネイロ五輪に出場するU-23(23歳以下)日本代表が16日、羽田空港からトゥーロン国際大会(18日開幕、フランス)に臨むため出発した。手倉森誠監督(48)が取材に応じ、五輪本大会に向けて「メリハリ」を新たなキーワードに追加、あえて「(試合を)疲れた状態でやらせる」と極限状態での判断力をテストする。
五輪への試金石となる大会。パラグアイ、ポルトガル、ギニア、イングランドと中1日での4連戦となる。「メリハリをつけるためには、疲れた状態の選手でやる試合も作らないといけないと思っている。疲れた時に、余計なことをしないとか、パワーの出しどころを共有するとかね」。これまでは「柔軟性」と「割り切り」を掲げたが、新たな試みを進める。
五輪では初戦のナイジェリア戦、第2戦のコロンビア戦はアマゾン地域に位置するマナウスが試合会場になる。8月の平均気温は30度以上で、湿度は80%を上回る過酷な環境とも戦わないといけない。グループリーグは中2日。指揮官は「マナウスでの試合は相当、コンディション的に疲弊する試合になる。疲れている時に何を判断するのか。それが大事な試合になってくる」と説明し、準備の必要性を説いた。
今遠征ではDF奈良(川崎)が左足骨折、FW久保(ヤングボーイズ)が右膝痛で変更。その他も、1月のアジア最終予選メンバーのFW鈴木、MF中島、DF室屋、松原、山中らが負傷中。新戦力の発掘は必須だ。疲労困憊(こんぱい)で何ができるか。真の力を見極めるため、手倉森監督は、あえて悪条件下で最終テストを敢行する。