ハリル監督「バカ正直にやり過ぎた」

 「キリン杯・決勝、日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ」(7日、市立吹田サッカースタジアム)

 日本は決勝でボスニア・ヘルツェゴビナに1-2で敗れた。前半28分にMF清武弘嗣(26)=ハノーバー=が先制点を決めたが、逆転負け。国際大会の連勝は5で止まった。就任後、国内組のみで臨んだ昨夏の東アジア杯(中国)を除けば初となる敗戦に、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は「がっかりしている」と悔しさをあらわにした。

 腕を組み、顔をしかめて敗戦のホイッスルを聞いた。「負けたら病気になってしまう」とまで語るハリルホジッチ監督にとっては、母国との一戦。試合後はぐったりとベンチに座り込んでしまった。

 高さと強さを誇るボスニア・ヘルツェゴビナに屈した。平均身長で約10センチ、体重では約10キロ及ばない相手に、空中戦と球際で負け続けた。逆転を許した2失点目は、相手の素早いリスタートに対応が遅れた。「何人かの選手は、頭の中がバカンスだった。これは最終予選では絶対に許されない。一番がっかりしているのはフランス語で『ナイーブ』、日本語では『バカ正直』ということ。言葉は悪いが、バカ正直にやり過ぎた」と激しい言葉で敗因を語った。

 低く、速いパスを生かした連係面で支配率では相手を上回った。前半28分の清武の先制点だけでなく、いくつかの決定機も作ったが、7発大勝のブルガリア戦で見せた決定力は、格上との対戦では発揮できず。集中力の欠如と工夫の少なさを指摘した指揮官は「(前戦は)情熱的だったが、ボスニア戦で現実に戻された」と話した。

 もちろん、収穫もあった。ハリル監督が「2試合で8得点を取ったこと」と挙げれば、欠場したFW本田も「ボスニアには勝てると思っていたが、(最終予選前という)いい時期に負けた。若手を試せたのも収穫」。この日は本田に加えてMF香川も欠場したが、FW浅野、MF遠藤、小林祐ら若い世代も出場時間が増えた。

 「今日の試合は本当に勝ちたかった。いいところもあったが、言い訳はしない。W杯予選では負けたくない」とハリル。敗戦でチームの手綱を締め直し、9月からのW杯最終予選での無敗を誓った。

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