川澄“主将”私がなでしこ引っ張る!

 練習で笑顔を見せる川澄奈穂美(撮影・栗木一考)
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 「なでしこ合同合宿」(8日、大分市内)

 サッカー女子の各年代の日本代表候補による合同合宿が8日、大分市内で始まった。合計76人が集まった中、日本代表「なでしこジャパン」候補のFW川澄奈穂美(27)=INAC神戸=がけん引役となった。走力テストではなでしこチャレンジのMF田中陽子(19)、FW京川舞(19)=ともにINAC神戸=ら若手を圧倒し、ミニゲームでもムードメーカーになった。佐々木則夫監督(54)は今合宿に主将は置かない方針だが、主将同然の働きぶりだった。

 気温3度、雪も舞った極寒の大分で、川澄が熱く躍動した。「ヨーヨーテスト」と呼ばれる制限時間内で40メートルを走り続ける体力測定で、ほかの選手がタイムオーバーで脱落していく中、最後の1人に生き残った。2360メートルを走り切り、広瀬フィジカルコーチが「世界でもトップレベル」と舌を巻くスタミナを見せつけた。

 田中陽や京川、FW小川(千葉)といったなでしこチャレンジ(日本代表入りを目指すチーム)組と競り合ったが、力の差は歴然。「譲れないというのもあるし、(走力は)自分の売りだと思うので、1位になってよかった」と、いたずらっぽく笑った。

 1月に今合宿のメンバーが発表された際、佐々木監督は川澄に「ピッチ内外で引っ張って」と期待をかけていた。実際には、「ここではキャプテンだの何だのっていうのはない」と主将を選ばない方針だが、川澄は主将も同然の振る舞いで仲間を盛り上げた。

 合宿初日のセレモニーでは、最年長者として佐々木監督と並び花束を受け取った。体力測定後のミニゲームでは得点し、1番大きな歓声を上げておどけた。「世界の国と対戦できるチャンス。自分も参加したい」という3月のアルガルベ杯(ポルトガル)を前に、存在感を見せつけた。

 若手とのコミュニケーションについては「自分から話に行くのは苦手なので、来ていただければ。基本的にはシャイなので」と苦笑いをしていたが、新リーダーの資質は十分。今合宿は澤、宮間が不在だけに、川澄がなでしこをまとめ上げる。

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