なでしこ決勝進出逃すも美南デビュー弾
「アルガルベ杯・1次L、日本1‐2ドイツ」(8日、パルシャル)
1次リーグ第2戦を行い、A組の日本はドイツに1‐2で屈し、2連敗となった。昨年準優勝したなでしこジャパンは同組1位の可能性が消え、2年連続の決勝進出はならなかった。日本は0‐1の前半、18歳で代表初出場のFW田中美南(日テレ)のゴールで追い付いたが、後半FKを直接決められた。ドイツは1勝1分けで、通算対戦成績は日本の1勝1分け9敗となった。
豪雨、悪ピッチ、そして先制点の献上…。なでしこジャパンに一筋の光をもたらしたのはルーキーなでしこだった。前半18分、日本のFKに、FW大儀見がペナルティーエリア内で相手数人を引きつけ落とした先に、田中美が走り込んでいた。左足で丁寧にゴールに流し込むと、両手を握り、初々しい笑顔をはじけさせた。
代表デビュー戦での得点は、06年7月19日の女子アジア杯ベトナム戦で阪口夢穂(当時TASAKI)が記録して以来14人目で、過去には澤穂希も記録した。「こぼれてきたら狙おうと思っていた。たまたま目の前にきて落ち着いてけれたと思う」と、振り返る姿はデビュー戦と思えないほど堂々としていた。
ドイツは昨年のU‐20女子W杯準決勝で敗れた宿敵とも言える存在。デビュー戦としては最高の舞台で結果を出したが、U‐20女子W杯でも得点を許したマロジャンに約35メートルのFKを直接決められ1‐2の敗戦。「やっと夢だったなでしこジャパンに入って、デビューできたことはうれしいけど、結果として負けてしまい、悔しい気持ちが残っている」と、複雑な心境を吐露した。
チームは2連敗で1次リーグ1位の可能性が消え、2年連続での決勝進出を逃した。佐々木監督は「パスミスがあったり、タイミングがずれた場面があった。相手にパワーがある中で1対1で簡単に倒れてはサッカーにならない」と振り返った。U‐19からの飛び級招集を果たした田中美のゴールだけを収穫にするわけにはいかない。