「なでしこＬ、ＩＮＡＣ神戸３-０大阪高槻」（６日、ノエスタ）

　１試合が行われリーグ３連覇を目指すＩＮＡＣ神戸が開幕３連勝を飾った。後半３分にＦＫからＭＦ澤穂希（３４）がヘディングで今季初ゴールを挙げるなど、セットプレーから３得点すべてを奪ったＩＮＡＣ神戸が３‐０で大阪高槻に完勝。リーグ戦無敗記録を４０に伸ばした。

　今季初得点はヘディングだった。２点リードで迎えた後半３分、ＤＦ中島のＦＫにゴール前で競り勝ったＭＦ澤が頭で合わせる。ボールはＧＫの手をはじき、左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。リーグ戦では昨年１０月１３日の伊賀戦以来となる一撃は、勝負を決める３点目となった。「去年より１点でも多く取りたいと思っているので、うれしいです」。昨季リーグ戦で自身最少タイの２得点に終わった澤は素直な思いを口にした。

　圧倒的な存在感を見せつけた。ＤＦ近賀、ＦＷ高瀬、京川ら故障者続出の中、中盤の底からチームを支え続けた。「『（前線に）行かないで』と言われる」ため、相手ゴール前に顔を出す回数は限られた。それでも数少ないチャンスを決め切った。石原監督も「きょうのＭＶＰ。さすがです」と手放しでたたえた。

　悪天候のため、スタジアムの屋根を閉じて行われた“阪神ダービー”を制し、リーグ戦無敗記録を４０に伸ばした。ただ、この日奪った３得点はすべてセットプレーから。フィニッシュの精度を欠き「流れの中で取れなかったのは課題」と澤。開幕３連勝にも表情が緩むことはなかった。